CNBCによると、ダイモンはバークレイズ主催のイベントで、「消費者(支出)が堅調であると言って、活況が何年も続くと考えるのは、大きな間違いだ」と警告。
賃金と住宅価格の上昇を引き合いに出し、米国の消費者は現在「かなり良い」状態にあるとしつつも、現在の好調な数字のみを見て楽観するのは誤りであり、そう遠くない「未来」を見るべきだとした。
世界経済は、新型コロナウイルス流行を受け行われた景気刺激策や、ロシアのウクライナ侵攻に関連する支出、中央銀行の金融引き締めといった問題が及ぼす長期的影響に左右されると指摘し、「われわれは酔っぱらいの船乗りのように金を使ってきた」と述べた。
米国の経済と株式市場は、コロナ流行初期に落ち込んだ後、好調な時期が続いている。S&P500種株価指数は2020年3月の底値から約100%上昇し、平均時給と総生産は過去3年間でともに約20%上昇。この成長は、連邦準備制度理事会(FRB)が過去40年以上で最悪のインフレに対処するため、金利を20年以上ぶりの高水準に引き上げる中でも続いている。
ダイモンはここ数カ月、世界経済が直面するリスクに警鐘を発しており、昨年12月には個人消費の減速が「経済を脱線させ、人々が心配しているような穏やかな、あるいは厳しい景気後退を引き起こす可能性が非常に高い」と警告していた。
4月の投資家向け書簡では、銀行の相次ぐ破綻による「反動」は「今後何年も」続くだろうと述べた。JPモルガンはその1カ月後、破綻したファースト・リパブリックを買収した。
セントルイス連邦準備銀行が3カ月物国債と10年物国債の利回りのスプレッドに基づきまとめたデータでは、今後1年間で米国が景気後退に陥る確率は65%とされている。
(forbes.com 原文)