フォーブスの「30 UNDER 30」の欧州版に選出されたルカ・カルテチーニとジャン・マリア・グラモンディが率いる同社は、新興のEコマースブランドがビジネスを立ち上げ、成長を維持するために必要な包括的なツールを提供している。645ベンチャーズと3VCが主導した今回の調達により、ショップサークルの累計調達額は1億4000万ドルに達した。
創業2年の同社は、過去11カ月間利益を出しているが、収益や評価額についてはコメントを避けた。
ショップサークルの成長は、Eコマース業界全体のブームと重なる。米国のEコマース市場は、パンデミック前に毎年13%から15%成長していたが、2020年には33%も成長した。カルテチーニとグラモンディは、この状況を好機と捉え事業を立ち上げた。彼らは、Eコマース企業の多くが、在庫管理やマーケティングなどの多様なニーズに対応するため、最大35のものアプリを使用していることに気づき、それを統合するソリューションを生み出したという。
「Eコマース業者が利用するソフトウェアの数は、過去5年間で約5倍に増加した。私たちは、1つのサービスに、それを集中させようと思った」と、カルテチーニは語る。
ショップサークルは現在、ShopifyのEコマース業者のみに、37種類のツールを提供している。
調査会社フォレスター・リサーチのEmily Pfeifferは、Eコマースソフトウェアの合理化に需要があることを認めている。彼女が助言を行うビジネスオーナーは、データベースの数の多さに絶えず不満を抱いており、統合して一元化することの重要性が増しているという。だからこそ、そのソリューションを提供するショップサークルのサービスは魅力的に思えると彼女は指摘した。
しかし、それと同時にPfeifferは、ショップサークルの顧客が「ロックイン」(特定のベンダーやサービスに依存してしまうこと)に陥る危険性について注意を促した。「以前はベンダーのロックインが懸念されていたが、今はサービスのロックインの危険性が増している」と彼女はいう。
ショップサークルのチームも、同様なリスクを感じており、顧客をショピファイだけでなく、アマゾンなどの他のプラットフォームの販売者に広げることを検討中という。カルテチーニとグラモンディはさらに、問い合わせ対応の自動化など、より多くの人工知能(AI)テクノロジーの導入に新たな資金を投入する計画だ。
しかし、ショップサークルは今も顧客との親密なつながりに注力しており、同社のスタッフが加盟店のニーズに応じて最適な技術スタックをアドバイスするコンサルティングプログラムを始動させた。
(forbes.com 原文)