ホワイトハウスの声明によると「インド・中東・欧州経済回廊(IMEC)」と呼ばれるこのプロジェクトは、インドとアラビア湾を結ぶ回廊と、アラビア湾とヨーロッパを結ぶ回廊の2つで構成され、貿易コストを削減して雇用を創出し、温室効果ガスの排出を削減し、貿易の効率を高めるという。
当局者によるとこの回廊は「船から鉄道への物流インフラ」の整備に加え、電力やインターネット接続のためのケーブルの敷設や、クリーンな水素を輸出するためのパイプラインの整備を含むという。
ニューデリーで開かれたG20サミットでバイデン大統領は、この計画を「現状を一変させる投資」と呼んだとAP通信は報じている。この計画には「一帯一路構想」を通じて影響力を強める中国を牽制する狙いがあるとも見られている。
このプロジェクトの実現までの期間や費用はまだ不明だが、関係者は今後60日以内に、より綿密な計画を立て、スケジュールを設定する予定という。
インドのエコノミック・タイムズの取材に、米国のジョン・ファイナー大統領副補佐官(国家安全保障担当)は、この計画が中東の緊張を緩和する可能性があると述べ「我々は、長年続いてきた対立を和らげるための施策を用意している」と語った。
このプロジェクトの発表に先がけ7日に報じたAxiosは、米国、インド、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の交渉がまとまれば、各国は覚書に署名するだろうと伝えていた。この回廊は、イスラエルとアラビア湾岸諸国との関係を正常化する手段と考えられていた。
(forbes.com 原文)