よくスタートアップに勤める友人から、創業数年の会社は、産休育休を取れる環境だと思えないという声を聞きます。たしかに、少ない人数で倍々成長を目指すスタートアップでは、1人の不在が大きなインパクトをもたらします。しかし、1人や2人の不在を乗り越えられないようでは企業の成長はいずれ止まりますし、不在が組織を強くします。
いかなる企業であってもメンバーの育休を推奨することは必要かつメリットが大きいと考えています。
肝は日頃からのすり合わせ
メンバーの退職や休職は、突然知らされるケースの方が多いでしょう。とはいえ、出産による不在は、日頃からメンバーのライフプランを知る努力をしていれば、予測できる部分もあるのではと思っています。そういった理由からも、マネジメントとして、性別や役職などの立場に関係なく、各メンバーが仕事や子育てにどのような価値観を持っていそうかを知っておくことは重要です。
ここで大事なのは、メンバーが一個人として実現したい公私のバランスについて、会社として傾聴する・理解しようとする姿勢。質問攻めで、ずかずか踏み込むのではなく、普段のコミュニケーションのなかで一定理解できるのではないでしょうか。
例えばマネジメント側は、仕事に対する価値観や、やりがい、楽しみの見出し方などから察することもできます。そのうえで各社員がどのようなスキルやキャリアを築いていくべきか、そしてそれが会社のミッション・ビジョンとどのようにリンクしているのかを繋ぐところに、マネジメントの腕の見せ所があるのだと思います。
今回の記事では妊娠前後のメンバー離脱の話をしましたが、介護や看護、健康などの理由で誰もが職場を離れる可能性を持っています。価値観が多様化するなかでは、それを前提とした組織の環境づくりがますます重要になるはずです。