欧州

2023.09.12 09:00

ウクライナ、状態極上のドイツ製自走対空砲「ゲパルト」を実戦配備

ゲパルト自走対空砲。2023年、オランダの国立軍事博物館で(M.J.J. de Vaan / Shutterstock.com)

7月には、特徴的な砂柄の迷彩を施されたゲパルトが、ドイツのプトロス訓練場でウクライナのオレクシー・マケイエウ駐ドイツ大使が撮影した動画の背景に映っていた。カタールから送られてきたものだったとみられる。そして今月8日、ウクライナ国防省は、再塗装されたゲパルトが、ウクライナで実戦投入されたことを紹介する動画を公開した。

前出の元ゲパルト車長は、動画に登場するゲパルトの少なくとも1両に、カタールで使われていたタイプであることを示す特徴があるのに気づいている。さらに、その車両について「信じられないほど状態がいい。組み立てラインから出てきたばかりのようだ」ともコメントしている。
advertisement

繰り返しになるが、ゲパルトは状態が大事だ。たとえば、ベルギーはこれまでのところ、自軍が2006年ごろに退役させたゲパルト55両をウクライナに提供する考えは示していない。これらのゲパルトは最も改修が加えられていないタイプで、整備状態も最も悪いのが一因だろう。元車長も、ベルギーで保管されているものは「自分なら最初には選ばない」と書いている

もう1つ、同じくらい大事なのが砲弾だ。ゲパルトに搭載されている機関砲用の新たな弾薬の生産は、最近までスイスが独占していた。だがスイスは「中立」を理由にウクライナへの武器再輸出を認めていない。そこで、ドイツ政府は自国企業のラインメタルにお金を払い、新たな生産ラインをつくってもらった。

先週、最初の生産分がウクライナへ送られている。
advertisement

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事