欧州

2023.09.11 10:30

ロシア、対ドローンのヘリ部隊編成 ウクライナの自爆攻撃阻止なるか

遠藤宗生

Ka-52はレーザービーム搭載のビーフリ対戦車ミサイルを発射する際、その誘導のために数十秒間ホバリングする。そのため、近くでドローンを見張る護衛は非常に有用なはずだ。

ウクライナ軍の防空部隊はこれまでに、ホバリング中のKa-52を次々と撃破しており、ロシアのウクライナ侵攻が始まってからの19カ月で40機以上を撃墜した。これは全Ka-52の3分の1に相当する。ウクライナ軍が今度はFPVドローンをKa-52に体当たりさせようとしていることは、ロシア軍の乗員にとってさらなる脅威となる。

ウクライナ軍のドローンからKa-52を救うのに、Mi-28は当てにはできない。Mi-28の乗員がドローンの撃墜に失敗した映像が少なくとも1つ出回っている。

Mi-28が抱える問題の一つは、口径30mmの2A42機関砲だ。理論上では、1分あたり最大900発を発射する恐ろしい武器だ。実際には、Mi-28とうまく一体化しておらず、ヘリコプターの機首の下の前方、しかも機体の重心から遠くに設置されているため、発射時の振動が大きいと言われている。振動によって射撃の精度は落ちる。

また、Mi-28は赤外線誘導の空対空ミサイルを搭載できるが、ドローンに多数のミサイルを撃ち込むとは思えない。重量がわずか900グラムしかないDJIのMavic 3 FPVドローンは、ミサイルの照準を合わせられるほどの熱を発しない。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子・編集=遠藤宗生

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