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2023.09.09 12:00

エヌビディアなどが2億ドル注ぐAIユニコーン「Imbue」を生んだ2人の起業家

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サンフランシスコを拠点とする人工知能(AI)関連のスタートアップ「Imbue(インビュー)」は9月7日、エヌビディアを含む投資家から2億ドル(約294億円)を調達し、評価額が10億ドルに達したと発表した。

今回の同社のシリーズBラウンドは、暗号資産リップルの共同創業者のジェド・マケーレブが設立した非営利団体アステラ・インスティチュートが主導し、クルーズの共同創業者のカイル・ボークトやNotionの共同創業者のサイモン・ラストらが参加した。

OpenAIやAnthropic(アンソロピック)などの大手が、大規模言語モデル(LLM)の構築にしのぎを削る中、Imbueの共同創業者のカンジン・チウ(Kanjun Qiu)とジョシュ・アルブレヒト(Josh Albrecht)は人間の意思決定をシミュレートする「AIエージェント」を開発し、生物学の研究や複雑なコーディングなど、さまざまな用途で役立てようとしている。「AIエージェントは自身で物事を決定し、行動する」とチウは説明する。

このエージェントの構築に向けてImbueは、1万台のエヌビディアのH100 GPUを用意し、オープンソースのトレーニング環境「Avalon」を昨年秋にリリースした。

従業員がわずか20人ほどの同社は、まだプロダクトの正式なデモを公開しておらず、異例のスピードでユニコーンの仲間入を果たしたといえる。Imbueの共同創業者のチウとアルブレヒトは、約10年前にOpenAIの共同創業者のグレッグ・ブロックマンがサンフランシスコで開いたパーティーで、暗号資産分野の富豪であるマケーレブと知り合った。

当時は別のスタートアップに取り組んでいた2人は、AI研究者のためのグループハウスThe Archiveを立ち上げて、初期のOpenAIのチームと交流を持ち、いつかは自分たちのAIラボを立ち上げようと思ったという。そして昨年、2人がAIラボのGenerally Intelligent(後にImbueに改称)を立ち上げたとき、マケーレブは主要投資家となった。

AI市場が活況を呈している今、収益がゼロの段階で数億ドルを調達するAIスタートアップは前代未聞ではないが、Imbueの試みは非常に野心的な賭けといえる。「私たちは、AIがアイデアと実行の間のバリアを取り除く可能性があると信じています。真にパーソナルなコンピュータは、人々を解放するのです」とチウは語る。
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Written by Alex Konrad and Kenrick Cai 編集=上田裕資

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