2023.09.10

日本車離れのルックス「新型ホンダZR-V」は日本にピッタリ

ホンダ ZR-V(ノルディックフォレスト・パール)

ホンダのSUVラインアップのモデル名は特に明解ではない。今回紹介する、新型「ZR-V」がホンダファミリーのどの位置に置かれているのか、不思議に思っていることだろう。しかし、そんなことはどうでもいい。同車の走りは実に良いし、ルックスも“日本車離れ”している。日本にとってのジャストサイズ感も申し分ない。

さて、ZR-VはファミリーSUVで、CR-Vよりは少し小さいが、HR-Vよりは大きい。また、どちらにも似ていない個性を持っているので新鮮な外観になっている。ホンダの他のSUVとは違うデザインなので、目を引く。

ZR-Vは2.0リッターのハイブリッド仕様と1.5リッター・ターボ仕様もあるけど、今回、僕が乗ったのは「e:HEV」というハイブリッド仕様。

正直なところ、ZR-Vのフロントのスタイリングはボーダーレスだと思う。特徴的なグリル、洗練されたLEDヘッドライト、水平スタイルのLEDテールライトということで、少し、アストン・マーティンチックと言っていいぐらいだろう。一味違った匂いの外観を高く評価する。


インテリアはシビックによく似ているため、ライバル車と比較すると少し味気なく見えるかもしれないけど、スタイリッシュな作りに関しては文句のつけようがない。タッチスクリーンは割と大きめの10.2インチだけれど、その質と画質がライバル車に少し劣るのが残念。

ダッシュボード、センターコンソール、ドアにはソフトタッチのプラスチックやパッドがふんだんに使われ、適度に豪華な雰囲気を醸し出している。ただ、最近、ホンダが多くの車種で採用しているギアセレクター・ボタンのレイアウトと操作の仕方があまり気に入らないな。たとえば、ステップワゴンでも使っているボタン式のギアセレクターは使いづらく、特にリバースの選択に慣れが必要だ。

かなり低い位置に座るため、ZR-VはSUVのような高くて堂々としたドライビングポジションを求める人だと、がっかりかも知れない。それでも、ダッシュボードがかなり低く設定されているため、前方の視界は良好でスポーティな感じが味わえる。少し厚めのリアピラーのせいで視界はそれほど良くないけど、全車にリアビューカメラと前後パーキングセンサーが付いているので、駐車も安全だ。
次ページ > 思いきり回したときの滑らかさや、生き生きとした加速が気持ちいい。

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事