1952年にイスラエルと日本が外交関係を樹立してから、70年以上が経った。そんな両国にとって、2023年3月には、喜ばしい2つのニュースがあったことを覚えていらっしゃる方も多いだろう。経済連携協定(EPA)に関する共同研究第1回会合が開催されたことと、イスラエル航空が、成田・テルアビブ間の初の直行便を就航開始したことだ。
今年に入り、両国の関係はますます深まりを見せている。そこで、在日イスラエル大使館のGilad Cohen大使及びDaniel Kolbar経済担当公使に、イスラエルのスタートアップ業界の現状について話を伺った。
イスラエル・スタートアップ・エコシステムの注目ポイント
Gilad大使は、以下の3つの点を特に注目すべきだという。
1 )テルアビブの目覚ましい成長
今年3月に発表されたテルアビブ・テック&テルアビブ・グローバルとの提携による
レポートにて、テルアビブは、「クリーンテック」において、企業価値の高いスタートアップのハブとしてロンドンに次ぐ2位となり、世界で最も急成長しているエコシステムの1つとなっています。
実際に、2018年以降、テルアビブのスタートアップ・エコシステムは、同時期にベイエリア、ニューヨーク、北京、ロンドン、パリよりも早く3.5倍の価値に成長しており、2022年には、テルアビブのテック系スタートアップの企業価値は、合計3930億ドルにも達しています。今では、テルアビブは、ユニコーン企業の数が世界で5番目に多い都市になりました。
2 )Generative AI
2023 年のビッグニュースとしてRegenerative AIがあり、イスラエルはヘルスケア、アグリテック、デジタルマーケティングなどのさまざまなアプリケーション向けに、この分野で最も開発されたソリューションを提供できる有利な立場にあります。また、持続可能性への懸念が高まっていることを受け、クライメートテックへの投資とこれを支援する政府プログラム(政府投資)も復活しています。
3 )日本と通信インフラ
今年の4 月下旬に、日本とイスラエルは「情報通信技術・郵便分野における協力覚書」に著名しました。これは、両国間で情報通信技術・郵便分野についてより一層協力していくことを表しており、これにより、通信インフラの技術開発の促進が期待されます。