AI

2023.09.24 08:30

調達額は合わせて272億ドル。世界をリードするAI企業50社

イラストレーション=マルチン・ウォルスキ

イラストレーション=マルチン・ウォルスキ

「ChatGPT」の登場で、そのポテンシャルが一般層にも認知されるようになった人工知能(AI)。いま、世界で最も注目を集めるAIのトップ企業50社はどこか。


人工知能(AI)は、生成AI開発企業OpenAI(オープンAI)による対話型チャットボット「ChatGPT」のリリースや、画像生成AIの話題も手伝って、ついに一般的なユーザー層にも浸透し始めた。それはボットが書いた学校のリポートや、ダウンジャケットを着たローマ教皇というかたちで人々を魅了している。AIはシリコンバレーにある研究所や、スタートアップのオフィスを飛び出し、世界各国で新しいビジネスが次々と生まれつつある。

米フォーブスは米投資会社のセコイア・キャピタルとメリテック・キャピタルの協力のもと、優れた非上場のAI関連企業50社を選出、「AI 50」として発表した。

今年で5年目を迎える、2023年のリストに掲載された企業は、合わせて272億ドルの資金を調達している。マイクロソフトによるオープンAIへの100億ドルの投資を筆頭に、かなりの部分が過去1年以内に調達されたものだが、受賞企業の多くは、現在の“ゴールドラッシュ”のはるかに前からAIを活用した事業を展開してきた。例えば、Scale AI(スケールAI)は、まだChatGPTがコンセプトだったころからそれを具現化するために、“ピック”や“シャベル”、そして人材を長年にわたって供給してきた。

その一方で、駆け出しの新興企業が投資家の“熱狂”に乗じて大規模なビジネスを立ち上げている。多くのスタートアップが市場の低迷に苦しむなか、AI領域は活況を呈している。Anthropic(アンソロピック)やCohere(コヒア)などは、過去2年間に創業されたばかりで、数億ドルの投資を獲得した企業である。一方、画像生成AIで話題のMidjourney(ミッドジャーニー)などは、資金調達をすることなく、顧客基盤を獲得した。

今年の「AI 50」にはアップデートがある。それは北米だけではなく、世界的なリストとして初めて公開した点である。その結果、日本からはRevComm(レブコム)が選出された。なお応募企業は、定量的なアルゴリズムと定性的な審査委員会を通じ、ビジネスの将来性とAIの技術的な活用を基準に選考された。

公募制の「AI 50」リストは、応募企業のビジネスモデルや人材、AIを活用したテクノロジーとその活用方法などの定性的な情報と、資金調達、企業評価額、収益実績などの定量的な数値の両方をもとに、メリテック・キャピタルが数百の候補に絞り込んだのち、米セコイア・キャピタルのコンスタンティン・ビューラーが設計したアルゴリズムを用いて同社が審査。

財務実績、企業文化、多様性という3つの基準に基づいて企業を採点し、上位100社のファイナリストを選出する。大手上場企業や研究機関に所属した経歴をもつAI専門家集団により、ポテンシャルやタレントなど、より定性的な観点で審査を行う。上位60社は、スタートアップ・エコシステムに精通したAI投資家集団によって業績や競争環境をもとに審査される。米フォーブス編集部は、上位50社を最終的な「AI 50」にまとめている(企業はアルファベット順で順位ではない)。

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文=ケンリック・カイ|翻訳=フォーブス ジャパン編集部|リポーター=ラシ・シュリバスタバ、ヘザー・ニューマン 、ローレン・オルシーニ|編集進行=エリザベス・ブライアー|データ提供=コンスタンティン・ビューラー(セコイア・キャピタル)、 ロブ・ウォード & ダン・ナイト(メリテック)|日本版編集=上田裕資

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