2. 環状星雲M57
ウェッブ宇宙望遠鏡のMIRIで撮影した環状星雲M57の中赤外画像(ESA/Webb, NASA, CSA, M. Barlow (University College London), N. Cox (ACRI-ST), R. Wesson (Cardiff University))MIRIによって得られたこの画像(上)は、夜空で最も有名な惑星状星雲の1つ、M57だ。明るい1等星のベガ(北半球の夏の夜空に高く昇っている)の近くにある。この最新画像では、明るいリングを包み込むように分布する薄い球状の物質(ハロー)の存在が初めて明らかになった。
星雲内部の状態から示唆されるのは、リング状の星雲を形成している、寿命を迎えた恒星の近くに伴星があることだ。放出されているガスと塵の美しい形状は、この伴星の作用によって生み出されている可能性がある。ウェッブ望遠鏡のNIRCamによる画像も一見の価値がある。
3. 子持ち銀河M51
ウェッブ宇宙望遠鏡のMIRIで撮影したグランドデザイン渦巻銀河M51の中赤外画像。優美な渦状腕が画像全体に広がっている(ESA/Webb, NASA & CSA, A. Adamo (Stockholm University) and the FEAST JWST team)これもMIRIによって得られた最新画像で、明るい中心部を渦状の腕が取り巻いている渦巻銀河M51だ。北斗七星の柄の先端の近くにあり、小型の天体望遠鏡向けの観測対象として人気が高い。
MIRIの画像には、驚くほど奥行きのある網状構造が写っている一方、NIRCamの画像には、集団的な星形成によって発生した電離ガスが写っている。M51は地球から、りょうけん座の方向に約2700万光年の距離にある。MIRIとNIRCamの2枚の合成画像もあり、圧倒される美しさだ。
(forbes.com 原文)