WSJによると、中央政府機関の職員らは最近、禁止について職場のチャットグループや会議の場で上司から伝えられた。外国ブランドの携帯端末は業務での使用だけでなく、職場に持ち込むことも禁止された。
禁止は少なくとも一部の規制当局の職員には通達されているが、指示が政府のどの程度の範囲に出されているのかは不明だという。アップル以外に、具体的にどのブランドが禁止になったのかもわかっていない。
中国は一部の政府機関の職員については、何年も前から外国の携帯端末の使用を制限してきたと伝えられていた。だがここへきて情報セキュリティーの管理を強化するなか、制限の対象を拡大したとみられる。
フォーブスはアップルにコメントを求めたが、現時点で返答はない。中国はアップルにとって最も大きな市場のひとつとなっている。
新法でデータ統制強化
中国指導部は国内や国外へのデータや情報の移転に対する統制を厳しくしており、厳格だが文言の定義があいまいな一連のセキュリティー関連法を整備している。それに基づいて、情報を扱う外国企業の事務所に対する家宅捜索も散発的に行っている。中国に進出している外国企業はこれらの法律に不満を募らせている。今回の措置は、米国をはじめ多くの西側諸国が中国製品に取っている対応に対し、同じ方法で対抗したものとも言える。米国の連邦政府や州政府はファーウェイ(華為技術)など中国企業の製品を重要インフラで採用することや、中国企業所有のアプリ「TikTok(ティックトック)」を業務端末で使用することなどを禁止している。
一方、中国企業はハイテク分野でも西側企業と競い合い、多くの製品にとって重要な部品である半導体でも対抗しようとしている。ファーウェイは今週、高度なマイクロチップ性能を誇る新型スマートフォンを発売した。同社は西側の輸出規制で高度な半導体の調達を禁じられたが、新チップは中国と米国などとの技術・貿易戦争がさらにエスカレートする可能性を示唆している。
(forbes.com 原文)