海外

2023.09.07 14:30

景気後退の欧州、サステナビリティに活路を見い出すEUエレクトロニクス市場

ドイツ・ベルリンで、今年は対面によるリアル開催を大規模に実施したエレクトロニクスショー「IFA 2023」

なぜ欧州のエレクトロニクス市場では、サステナビリティに対する関心が強烈に高まっているのだろうか。イベントを主催するIFA ManagementのSales Directorであるルパート・アダムス氏に聞いた。
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「欧州ではいまエネルギー価格の高騰がエレクトロニクスの産業界、コンシューマーの双方に大きな課題として重くのしかかっています。エレクトロニクスやテクノロジーの界隈では『サステナブル』という言葉がさまざまな意味を持ちます。そのうちの1つで電気代などのコストセービングはコンシューマーにとって最大の関心事です。生活に欠かせない燃料費用の負担圧縮を実現する技術と、節約機能を搭載する製品はコンシューマーの購買意欲を刺激しています。関心はパンデミックを経てさらに高くなり、現在は製品の購入を検討する際にサステナビリティに最も注目するというコンシューマーが増えています」

アダムス氏によると欧州でも日本と同様に、パンデミックの期間中は人々がステイ・アット・ホーム生活をできる限り快適に過ごすため、必要な家電の買い換え・買い増しを積極的に行ったという。ドイツgfkの市場調査の結果を例に挙げながら、アダムス氏は特に好調だった調理家電やホームシアターのようなアイテムが、欧州先進国では過去にないほどの売上げを記録したと振り返る。

ところがパンデミックが過ぎてから、欧州でも人々が外に出て過ごす時間を楽しんだり、遠出の旅行を積極的に計画するようになったことから、アダムス氏は「このところのエレクトロニクス製品の売上げは不調とまでは言わないものの、パンデミック期間中ほどの勢いは持続できていない」とも明かしている。

紛争による景気後退。経済好転を呼び込めるのもサステナビリティ

そこに追い打ちをかけるように、昨年2月からロシアによるウクライナ侵攻が始まり、欧州の人々の生活にさまざまな影響を及ぼしている。
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IFA Managementのセールス・ディレクター、ルパート・アダムス氏にインタビューIFA Managementのセールス・ディレクター、ルパート・アダムス氏にインタビュー

「ロシアのウクライナ侵攻により、パンデミック後の景気後退が加速しれています。インフレによる物価高は、ドイツをはじめ欧州諸国の消費者の生活を逼迫しています。人々の収入が、ものの値段が高くなるスピードに追いつかないため、結果として新しい製品を積極的に購入したり、現在の生活に投資をするというマインドが薄らいでいます」
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編集=安井克至

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