俳優・坂東龍汰 役づくりの苦労を経て伝えたいこと

俳優 坂東龍汰

すっかり世間に浸透したSDGsという言葉。しかし、どれほどの人がその言葉の意味や内容を、理解し実践できているのか……。

SDGs=持続可能な開発目標。それは決して、国や企業だけが目指すゴールではない。いま、この星に生きる私たち一人ひとりが、たとえ「ちいさく」ても、できることを「ちょっとずつ」実行することが、求められている。

sdgs_media_japan」では、個人的で身近なSDGsを伝え、広めるために「いっしょに学ぼうSDGs!」と題し、発信力の高い俳優やタレントを、毎月一人ずつ紹介。日常生活のなか「自分たちの未来に共感」できるような、「ちいさくて」「ちょっとした」SDGsアクションを伝えている。


「難しいとか、自分に縁遠いことなんて印象はありません。最近はいろんな場面で見かけるワードなので。見るたびに、『もっと自分も意識しないといけないな』と気持ちが引き締まります」

SDGsについての印象を問うと、俳優は改めて、背筋を伸ばすようにしてこう話した。

坂東龍汰、26歳。ニューヨークで生まれた彼は、北海道の高校卒業後、俳優を志して上京。20歳でデビューを飾って以降、順調にキャリアを重ねてきた。昨年には、日本映画批評家大賞で新人男優賞を受賞。現在公開中の映画『春に散る』では、ストイックなプロボクサー、それも、東洋太平洋王者という強いボクサーの役を好演している。

「映画『春に散る』は、横浜流星くんと佐藤浩市さんがダブル主演の、本当に熱いボクシング映画です。僕が演じる“大塚俊”は、東洋チャンピオンのベルトを持っている、とても強いボクシング選手。ですから『まずは体から、しっかり鍛えていかないとな』という思いで、撮影に臨みました。後半は食事制限など減量もしました。正直、少し辛かったですね」

減量苦というよりも、それは、人気俳優ゆえの辛さもあった。

「ちょうど同じタイミングで、別のお仕事でフルート奏者の役も演じていたんです。フルートの楽譜演奏と、ボクシングの動き……、同時に対極的なものを覚えないといけなかった。それは結構、たいへんでした」

今作では、主演の横浜流星から、大いに刺激を受け、学んだと話す。

「流星くんとは昔、ドラマで共演したことがあり、久しぶりにお会いしました。一緒にボクシングの練習をする機会もあったんですけれど、流星くんはみるみる体が絞られて、大きくなっていく。一緒に鏡の前で、体の大きさを比べたりしていました(笑)。今回共演して、彼の視野の広さとストイックな姿勢は、すごく刺激になりました」

苦労の末に作り上げた一つの作品。演じ手としても、確かな手応えを感じている。
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文=仲本剛 写真=秋倉康介 撮影場所=ITOCHU SDGs STUDIO

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