欧州

2023.09.06 17:30

ロシアの「プロパガンダ戦略」に無力なSNS各社、EUが非難

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欧州委員会が先週発表した調査結果で、ロシアが支援するソーシャルメディアのアカウントのリーチと影響力は、2023年前半にさらに拡大し、特に「ツイッターのコンテンツの監視が緩和されたことがその原動力となった」と非難された。
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欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、メタやYouTube、X(旧ツイッター)、TikTokなどのSNSプラットフォームが、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる大規模な偽情報キャンペーンを抑制できなかったと指摘し、厳しく非難している。主要なプラットフォーム全体で、親ロシア派のアカウントは現在1億6500万人以上のフォローを持ち、2022年2月以降に160億ビューという驚異的な数字を生み出したとされる。

報告書は、ビッグテックの場当たり的な対応を非難し、コンテンツのモデレーションは、散発的に適用されたに過ぎず、偽情報キャンペーンに対処できなかったと述べている。

調査の結果、親ロシアのアカウントのリーチは、メタのプラットフォームやTikTok、テレグラム、YouTubeなどで軒並み増加しているが、特にXにおいては、イーロン・マスクによる買収以降にヘイトや誤情報が急速に増加したことが強く非難されている。
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研究者らは、ロシアによる巧妙な情報戦がEU全域で自由で公正な選挙と基本的人権を脅かしていると警告している。欧州議会の議員選挙が2024年に迫る中、各プラットフォームは8月25日に施行されたEUの新たなデジタル規制である「デジタルサービス法(DSA)」への迅速な対応を迫られている。

DSAのガイドラインによって、EU域内で4500万人以上の月間アクティブユーザーを抱えるSNS企業や検索エンジンはすべて、より厳格なコンテンツの監視体制を敷き、偽情報やヘイトスピーチを積極的に取り締まることを義務づけられた。違反した場合は、重い罰金を科されることになる。

「DSAが提供する規則は、ロシアの偽情報キャンペーンや、民主主義を脅かす国家主導の攻撃を抑制するためのものだ。ヨーロッパの民主主義に対する組織的な攻撃を緩和するために、この規則を迅速かつ効果的に適用しなければならない」と欧州委員会の報告書は述べている。

しかし、ここで1つ注目すべきは、ロシアのプロパガンダを広めるために使われている主要なツールの1つであるテレグラムのEU域内の月間アクティブユーザー数が3300万人で、DSAの適用対象である「4500万人以上」に満たないことだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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