乳牛向けネッククーラー、アニマルウェルフェアで持続可能な畜産

プレスリリースより

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欧米ではアニマルウェルフェア(家畜福祉)が叫ばれている。

生きている間は家畜にできるだけ快適な生活をさせようという考えだ。どうせ殺して食べちゃうんだから偽善だと批判する人もいるが、じつは動物のためだけでなく、生産者や消費者のためになる、SDGsにもかなう考え方なのだ。そんな持続可能な畜産を推進してきたファームエイジは、家畜福祉に特化したアイテムのブランド「KAITEKI」を立ち上げた。

2019年、日本も加盟する世界動物保健機関の国際獣疫事務局から家畜福祉の勧告が出された。その基本理念になっているのが、1960年代に英国政府が提唱した動物の「5つの自由」。それぞれの動物の習性にそくした、なるべく自然な形で生活できるように飼育しなさいという内容だ。当初は動物愛護の精神から生まれたものだが、家畜福祉では畜産業の指針になっている。

畜産と動物愛護は相容れない関係にあるように思えるが、虐待に近い環境で飼われた家畜の肉は食べるに忍びない。それよりも、これには畜産業にとって合理的な理由がある。家畜福祉を意識した飼育により、家畜のストレスが減って健康に育ち、畜産製品の品質が向上する。安心で安全な食品として消費者に認知され、生産者のイメージもアップする。家畜が健康でいることは持続可能性につながるなど、結果として生産者の利益になるわけだ。だから、農水省も後押ししている。

それはわかるが、家畜福祉にコストをかけるのは難しいという業者も少なくない。そこでKAITEKIは、第一弾として簡単に家畜福祉を実行できる製品の販売を開始した。それが子牛の暑熱ストレスを低減するネッククーラーだ。乳牛は気温が摂氏27度を超えると元気がなくなってしまう。暑い日に首に巻いてやれば、元気になって餌もよく食べるようになる。エアコンなどの多額な設備費を必要としない、リーズナブルな家畜福祉ということだ。

ちなみに、家畜福祉の5つの自由は次のとおり。
1. 飢えや渇きからの自由
2. 不快からの自由
3. 痛み、怪我、病気からの自由
4. 正常な行動を発現する自由
5. 恐怖と苦悩からの自由

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文 = 金井哲夫

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