アームは、米預託証券(ADR)9550万株を売り出し、公開価格の仮条件を47〜51ドルに設定すると発表。調達額は45億~49億ドルで、米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が5月に行ったコンシューマーヘルス部門ケンビューのIPO(調達額約40億ドル)を抜き、2021年11月の米電気自動車(EV)メーカー、リビアン・オートモーティブによるIPO以降で最大となる見通しだ。リビアンの時価総額は、IPOにより900億ドルに達したが、現在は220億ドルへと下落している。
SBGは、IPO後もアームの株式を90%保有する。同社の時価総額は最大で545億ドル(約8兆円)となる見込みだ。同社はさらに、アップルやエヌビディア、アルファベット、インテルといったテクノロジー大手が約7億3500万ドルの株式購入を検討していることを明らかにしている。ただ、複数のメディアによると、SBGは先月、アームの企業価値を640億ドルと見積もっており、同社が5日に示した評価額はこれを大幅に下回っている。
米資産運用大手アライアンス・バーンスタインのアナリスト、サラ・ルッソとクリス・エリアスは5日、クライアント向けメモで、アームがSECに提出した資料で最も驚くべき点は人工知能(AI)に関連した売上高や利益の「著しい成長の証拠」がないことだと指摘。一方で「アームのアーキテクチャは、(AIや機械学習の)ワークロードを支えるのに適している可能性が高く、同社は将来的にここから利益を得て価値をつかむことができるだろう」と分析している。
(forbes.com 原文)