街に行けば犬を見ない日はないほどのペット大国で、電車に乗るときもカフェやレストランで食事をするときも犬と一緒の人が多い。2020年の世論調査では、フランスで動物を飼っている人の割合は50.5%にものぼった。
今回は、動物好きが多いフランスでペットショップでの販売が禁止になる理由と、フランスと日本のアニマルウェルフェアの違いを見ていこう。
ペットショップで犬や猫の販売が禁止される理由
フランスのペットショップで犬や猫の販売ができなくなる理由は、捨てられるペットが後を絶たないからだ。
なんと毎年10万匹もの犬や猫が捨てられているようだ。
捨てられる時期は5月から8月に集中しており、夏のバカンス時に「旅行に連れていきたくない」といった理由でペットを手放す飼い主がいると、動物保護団体は予想している。
ペットショップでの販売禁止のほかにも、動物のショーケースでの展示や、一般人によるネット上での犬や猫の売買もできなくなる。
日本のアニマルウェルフェア事情
日本ではペットショップでの犬や猫の販売を禁止する動きはない。
しかし、2021年6月には悪質な業者に対する取り締まりを強化するために、飼育するケージの大きさや1人当たりが飼育できる頭数に数値基準を設ける省令を初めて整備した。
日本の動物愛護管理法は年々厳しくなっている。2022年6月1日からは、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化された。
マイクロチップを装着するメリットは、飼い主と離れ離れになったときに飼い主のもとに戻ってくる可能性が高くなることだ。マイクロチップ装着のための注射は、一般的な注射と同じくらいの痛みだと言われている。
今後のアニマルウェルフェアの流れ
今後フランスでは規制がますます厳しくなっていく。過去には2021年11月18日に、イルカショーやサーカスに野生動物を利用することを禁止する法案が可決された。このままいけば、2026年にはイルカやシャチのショーを禁止、2028年には巡回式のサーカスでの野生動物の利用も禁止されることになる。
世界的にはアニマルウェルフェアが広まっており、日本にも波及することは間違いないだろう。