ビジネス

2023.09.13 07:30

日本発「グローバルヒット」の仕掛け方。ワーナーミュージック・ジャパンとLANDの戦略

(左から)島田和大、和田直希

和田:今の若い世代にとってTikTokで楽曲が拡散されることは、有名音楽番組に出るくらいの喜びでしょうね。
advertisement

すでにTikTokで成功している例もあります。MINAMIのデジタルシングル『繋いだ手』です。彼女は日本の人気インフルエンサーですが、アーティスト力もある方で、7月20日にこの曲でメジャーデビューしました。

これまで日本のインフルエンサーがCDを出してうまくいった例があまりないので少し怖かったのですが、『繋いだ手』のTikTokでの再生回数は8月末の時点で1億5千万再生を越え、リリース週のTikTokチャートでは16位に入りました。ワーナーミュージック・ジャパンのコンテンツをヒットさせる力と、TikTokのスピード感があったからこそだと思っています。

ポジティブなインパクトのあるプロジェクトに

——今後、両社で実現していきたいことは。

和田:僕自身が音楽で幸せになっている人間なので、そういう人を増やしていきたいです。
advertisement

海外に出たいけれどどうしたらいいかわからない日本人アーティストや、海外のアーティストでアジア展開したい人とか、そういう人たち向けのグローバルレーベルの象徴的な存在になりたいです。まずはこの3カ月で出てきた課題をクリアして、2社でいろいろなことに挑戦していきたいです。

島田: MINAMIのようなインフルエンサーをアーティストとして世に出したり、アロー・ブラックのような既に地位を確立するアーティストと組んだりするのもそうですが、世界中の様々なオーディエンスにアクセスできるような展開にもトライしていきたいです。

例えば、インフルエンサーであるMINAMIがシンガーとして世に出て、ポジティブなメッセージを発信することで、誰かに勇気を与え、“自分にもできるかもしれない”と思わせる可能性がある。そういうポジティブなインパクトのあるプロジェクトを、世界レベルでできたら本望です。

文=久野照美 取材・編集=田中友梨 撮影=若原瑞昌

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事