本稿では、同イベントのハイライトを紹介し、生成AIの変革や、企業が顧客体験の向上、より良いインサイトの推進、コンテンツ制作の強化のために、どのようにその機能を取り入れているかについて探っていきます。
生成AIの台頭
AWSのデータベース、分析、ML担当副社長であるSwami Sivasubramanian氏は、生成AIがビジネスの展望を再構築する可能性について強調し、このテクノロジーを推進する3つの大きな要素である「膨大なデータの拡散」「スケーラブルなコンピューティングリソースの有効性」「恒常的なMLの変革」について説明しました。同氏はこれまでのAIの歩みを、従来のMLモデル(単純な入力から単純な出力)から始まり、ディープラーニングモデル(複雑な入力から単純な出力)へと進化してきたと解説しました。そして、今は、複雑な入力から複雑な出力を生成する生成AIが次の段階への発展を占めているとしました。
アマゾンは、生成AIに、事前トレーニングと微調整からなる2段階のアプローチを採用しています。ラベル付けされていない膨大なデータによる事前トレーニングは、幅広い領域で精度を最大化し、少数のラベル付けによる微調整は、特定のタスクのパフォーマンスを最適化するといいます。
そして、生成AIの可能性を最大限に活用するために、企業は以下のことを行う必要があるとしました。
・クラス最高モデルへのアクセス:Amazon Bedrockはフルマネージドサービスであり、Amazonや主要なAIスタートアップ企業の基盤モデル(FM)を、APIを通じて利用できるようにし、ビジネスニーズに最適なモデルを選択することができる。
・安全でプライベートな環境の構築:データのプライバシーとセキュリティは最も重要な要素であり、Amazon Bedrockでは、組織がデータを使用してFMを非公開でカスタマイズすることができる。
・重労働を取り除く:アマゾンのインフラやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が計算の複雑さを引き受けるため、企業は生成AIの効果的な活用に集中することができる。
・コストの最適化:アマゾンの専用アクセラレータであるAWS TitaniumとAWS Inferentia2は、学習と推論タスクにコスト効率の高いオプションを提供する。
従来のMLモデルとFMの違いについて解説するSivasubramanian氏
出典:Coresight Research