国内

2023.09.07 08:00

新しい家のもち方を提案する「NOT A HOTEL」への出資ストーリー

Forbes JAPAN編集部
濱渦:THE CREATIVE FUNDのいいところは、投資家として意見を求めることもできれば、ユーザーとして小池さんにヒアリングもできるし、クリエイティブのチームにデザインやPRの相談もできること。特に建築やアートに対する彼らの理解・見識は、僕らとの共通言語になっている。

僕らはアメニティにも全部こだわっていて、普通の投資家だとコストをかけ過ぎだと判断するところを、もっと投資したほうがいいと逆の振れ幅をもたせてくれます。今度、ビャルケ・インゲルスを建築家に迎えて、瀬戸内海の物件を開発するのですが、投資家でそれを聞いて真っ先に反応してくれたのも小池さんでした。

小池:びっくりして3回聞き直しましたね。あの世界的建築家のビャルケですかと。鳥肌が立ちました。

濱渦:僕は会社の価値として、バランスシートには載っていないブランド・エクイティが重要だと思っています。今、世の中はすごく効率化に向かっていますが、AIで完全に自動化された後に価値が出るのは、焚き火みたいなリアルな行為のはず。最近では「焚き火スタートアップを目指すぞ」と言っているのですが、僕はトレンドとは真逆のリアルな楽しみをつくって、一人ひとりの人生を楽しくしていきたい。そして、いいブランドには、しっかりと数字もついてきます。

直近で7拠点目の販売が始まったところですが、累計販売額は70億円を超えて、利益も出せるようになりました。今期(24年3月期)は140億円を目指していて、25年までに30拠点をつくりたい。


こいけ・あい◎THE CREATIVE FUND代表パートナー。博報堂、PEファンドのアドバンテッジパートナーズ、あすかホールディングスを経て独立。2020年にTHE CREATIVE FUNDを創業。主な投資先はスペースデータ、LUUPなど。(写真左)

はまうず・しんじ◎NOT A HOTEL 代表取締役。2007年、ECサイト構築支援のアラタナを創業。15年、同社の吸収合併に伴いZOZOグループに参画し、ZOZOテクノロジーズ(現ZOZO NEXT)取締役に就任。20年4月より現職。(同右)

文=眞鍋 武 写真=平岩 亨

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年9月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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