日本は子育て不適合国?!というアンケート結果
子育て家庭には、ママや家族の「健幸状態」が良い事が不可欠である。「健康」でなく「健幸」と表記したのは、久野教授の気づきから。幸せな子育てと、周りの幸せをゴールとしている。今年8月に実施されたアンケートによると、母親の体力低下と心身の健康悪化、また育児最優先による母親自身の健康づくりの後回し、さらにベビーカー難民問題と、解決すべき課題は、山積している。行政対策が肝心の母親に全く届いていない実態も浮き彫りとなった。久野:現状を分析したリポートが、ここにあります。8月14日〜15日、全国の妊娠中もしくは産後3年未満の女性999人に行なった直近データです。「日本の妊産婦は他国に比べて育児がしやすい?」に対し、47、7%が「産み育てやすい国と思っていない」と回答しています。「子供が泣く事や騒ぐ事で周囲に責められていると感じる」人は63%で「孤立を感じる」と答えた人は半数以上でした。会社の産休ギリギリまで働く→出産後、職場にすぐ戻る→地域の付き合いがない。この循環により、6割の人が「人との付き合いがない」と回答しています。
その結果、自分の時間として使えるのは深夜と早朝しかない。25%は、全くなし、という結果です。だから65%が「子育て中は、メンタルが悪化しても仕方ない」と感じてしまう。でも、「悪くなるのは当然」と諦めてしまうのは、私は間違っていると思うのです。
痩せ→体力低下→イライラ→運動不足の悪スパイラル
痩せている基準のBMI18.5以下の世界第一位は、日本だという。痩せているから、体力がなく、疲れやすくなるので、イライラしやすくなるという、まさに悪循環。また、カフェなど他人がいる場所でベビーカーの子供が泣くと、ママは周囲に気を遣って居場所がなくなってしまう。さらに、7割のママが運動不足だというリポート結果が出た。とはいえ、可愛い我が子。子育てに楽しさを感じている人が76.5%いるという回答も出ている。久野:このプロジェクトの打ち手は、「妊婦・子育て女性のウェルビーイング(健幸)と自律性向上」です。同時に、「子育てに寛容な地域社会の実現」に繋がる事も目的としています。具体的には、全国の自治体による「健幸スマイルスタジオ」開設や、公式アンバサダーによるYouTube展開などのパブリックリレーションを使った多角的キャンペーンもスタートします。今回は内閣府が主導のプロジェクトですが、私は、民間の企業側も子育てママ支援について、これを機会に考えていただきたいと願っています。
谷本:アンケートを聞いて、自分の子育て中の経験で、ほとんど当てはまっていました。当時、課題としては認識していたのですが、具体的アクションには寄与していなかったです。このプロジェクトが浸透する事で、社会生活のソリューションに繋げていきたいと思います。
羽生:カフェで子供が泣いていると、ママ同士であっても他人の子供には冷たい視線を向ける風潮があります。ところがインバウンドには寛容なのが、日本の社会。今回のプロジェクトでは、様々なコンテンツを設定しています。その柱となるのが全国12の自治体との取り組みです。
自治体の協力&強力パワーで確実に浸透させる手法
自治体が主導し、どこに住んでいても参加出来る「健幸スマイルスタジオ」が、9月中旬から、いよいよ始動する。これは、30分の運動と30分の相談&交流で構成される1回1時間のDXプログラム。オンラインでも対面でも参加可能なので、子育てママのスケジュールで選べるメリットに加えて、地域格差解消にも繋がるとして、高い期待が寄せられている。谷本:これからのお時間は、ご来賓及び、オンラインでご参加下さる首長の皆様と、三井不動産の山下和則執行役員によるコメントを、ご紹介させていただきます。今回の「ママもまんなか」プロジェクトと、心と体と繋がりを支援する「健幸スマイルスタジオ」への意気込みと指針を一言でお願い致します。