『Starfield』に右派激怒 『ホグワーツ・レガシー』のトランス論争が再浮上

そもそも、『Starfield』での代名詞選択は、非常にわかりにくいかたちで実装されている。先に選んだボディタイプに基づいて「SHE/HER」または「HE/HIM」が自動的に割り当てられるようになっており(これにも不満を持つ人がいる)、変更したい場合は手動で選択しなければならない。多くの人はこれを完全に見逃し、名前だけ入力してキャラ作成を終えてしまうだろう。

『Starfield』の「政治的」な内容については、実のところ言えることはほとんどない。「コロニー連合(UC)」の警察組織はおおむね善良だと考えられている(ただし、プレイヤーはUCを裏切って海賊側につくことはできる)。自由を愛する「自由恒星同盟」は、言わばカウボーイ集団だが、同時に警察の役割も果たしている。金持ちの権力者は時に腐敗しているが、そうでない人もおり「コンステレーション」の主要後援者もその1人だ。ゲーム内で人種問題に言及する人はいないとみられる。NPCとのロマンスは、プレイヤーの性別にかかわらず誰とでも可能で、これは一部のプレイヤーの怒りを呼んでいるが、RPGでは数十年前からこうした仕様がトレンドとなっている。

要するに、『Starfield』は政治的にいたって中立的なゲームなのだ。現代のゲーム、特にテキスト量が英語で25万語もあるゲームとしては、これは至難の業だ。『Starfield』を批判しているのと同じ人々が、それとほぼ同じキャラ作成オプションを用意している『ホグワーツ・レガシー』を絶賛していることは、この論争の愚かさを浮き彫りにしている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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