そして今、批評サイト「ロッテン・トマト」での一般視聴者によるレビューの件数は、1万件に達している。ネットフリックス作品の大半についているレビューの最終件数を、わずか数日で超えた形だ。しかも、その平均スコアは95%と、批評家レビューの83%(これも高評価だ)を上回っている。
この視聴者スコアは、ネットフリックス作品としては過去最高水準だ。レビューの数が増えるほど高スコアを維持するのが難しくなることを考えると、歴代最高の評価だと言えるかもしれない。
スコアがこれを上回る主要作品としては、『HEARTSTOPPER ハートストッパー』と『シスター戦士』がある。『ハートストッパー』は2シーズン通して視聴者スコアが96%だが、レビュー件数は3500件ほどしかない。『シスター戦士』も2シーズンで97%を獲得しているが、レビューの多くはファンが番組の打ち切りを阻止するために一斉に行ったものだった(最終的に打ち切りは免れたが、続編がネットフリックスで配信されるかどうかは不明)。ただそれでも、レビュー件数が1万件を超えることはなかった。
ネットフリックスを代表するドラマ作品と比べても、視聴者スコアは『ONE PIECE』の方が上だ。『ベビー・シッターズ・クラブ』は批評家から100%の評価を得て話題を呼んだが、それでも打ち切られてしまった。同作の視聴者スコアは80%だった。
米国のネットフリックスドラマで最も人気のある『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の視聴者スコアは90%、『ウェンズデー』は85%、ネットフリックス最大のヒットドラマとなった『イカゲーム』は84%だ。
筆者が言わんとすることはわかるだろう。ドラマに対するレビューのスコアと件数を全体的にみると、『ONE PIECE』が数日で視聴者から1万件のレビューを集め、95%のスコアを維持したことは、快挙なのだ。ネットフリックスはレビューに基づいてドラマの継続を決めることはなく、重要なのは視聴数だが、それでも評価が良いに越したことはない。
『ストレンジャー・シングス』などの人気ドラマが間もなく終了し、『イカゲーム』シーズン2の見通しがまったく立っていない今、ネットフリックスはおそらく、次の看板番組となるものを模索していることだろう。使用できる素材が無限にあり、もともといた膨大なファン層からも絶賛されている『ONE PIECE』は、それにうってつけではないだろうか。同作の前途は明るいように思える。
(forbes.com 原文)