北米

2023.09.05 13:30

賞味期限切れの「トランプSNS」、上場計画断念の危機に

安井克至

Getty Images

トランプ前大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」の親会社のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)は今週、1年以上の上場の遅れと規制当局からの監視に直面した後、上場の是非を決める重要な株主投票に直面している。

TMTGとマイアミを拠点とする特別目的買収会社「デジタル・ワールド・アクイジション(DWAC)」の合併計画は、長い間宙に浮いたままで、9月8日までに買収を完了させるか、期限を延長するかを決定しなければならない。

DWACの40万人の株主のうち、少なくとも65%が9月8日までに投票し、期限をあと1年延長するか、合併を失効させ、1日の終値に基づくと1株あたり約10ドルを投資家に返すことを決めなければならない。株主総会は5日に予定されているが、DWACは最終集計を8日金曜日まで遅らせることができる。

ブルームバーグによると、期限の延長は通常承認されるが、DWACがTMTGとの合併を延期するのはこれが5回目となる。一方、DAWCが清算を余儀なくされれば、TMTGは合併案から何も得られなかったことになるが、トランプはTMTGの90%を保有しており、トゥルース・ソーシャルや彼の会社の将来は不透明だ。

法学教授のウーシャ・ロドリゲスは、延長投票の最大の問題は、DAWCの株主が「投票に注意を払っていない」ことかもしれないとブルームバーグに語った。多くの株主は小口の個人投資家で、その中にはトランプへの忠誠心から株を買った人もいるだろうし、取引が危機に瀕していることを知らない可能性もある。

DAWCのCEOのエリック・スワイダーは、このことを伝えるために努力しており、声明の中で「延長への一票は言論の自由への一票だ」と述べている。
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編集=上田裕資

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