前途多難な拡大?
世界金融危機が終わったあと、G7諸国のGDP成長率は年平均2%程度で推移している(新型コロナウイルス感染症のパンデミックが猛威を振るった2020年は例外的にマイナス2%だったが、2021年のプラス10%の成長によって補填された)。一方、BRICS中核国は2010年代に年平均8.4%の経済成長をとげ、2021年にはプラス20%、2022年にはプラス4%を記録した。しかし、BRICS新規加盟諸国は、2010年以降の6年間でGDPがマイナス成長となっており、どのような基準で新規加盟国が選定されたのか疑問視されている。
Aljazeera(アルジャジーラ)のインタビューに応じた専門家によれば、先述のように新規加盟国のいくつかは産油国であり、現在のBRICSメンバーのほとんどが非産油国であることも考慮されたようだ。だが、新規加盟国のあいだに共通点はほとんどない。
加盟を申請した22カ国からこれらの国々が選ばれたもう1つの要因は、インドが土壇場で加盟基準の策定に介入したために、8月23日の夜に新規加盟国リストに入れ替わりが生じ、したがって選出された新メンバーの6カ国は妥協の産物であるという可能性だ。
新規加盟をめぐる緊迫した交渉は、BRICSメンバー間の見解の相違を改めて浮き彫りにするものだ。ブロック内のコンセンサスの形成は、今回の拡大後、さらに困難になることが予想される。
(forbes.com 原文)