2023年8月19日に明らかになったこの新しい無人航空機(UAV)は、独特のコンパクトさを兼ね揃えており、戦闘の用途に最適化されたものである。商業用ドローンと類似する部分もあるが、「SkyKnight」は戦場での優れた道具となるための改造が施されている。
Telegramの投稿で共有された限られた情報によると、導入されたばかりのUAVは、それぞれデュアルローターを装備した4つの手足を特徴とする、コンパクトなデザインを誇っている。センサー・パッケージが前面にあり、下向きのカメラと並んでいる。そして、ドローンのバッテリーパックの電源は後部に取り付けられ、爆弾は本体の下に配置できるという。
特筆すべきことは、「SkyKnight」の積載量が約2.5kgと、このサイズのドローンにしてはかなり重いことだ。積載量だけで従来の手榴弾の数倍の重さとなり、これは「SkyKnight」にとって運用上の大きな課題となる。
海軍分析センターのアナリストで、新アメリカ安全保障センターの非常勤上級研究員のサミュエル・ベンデット氏によると、これは戦車、装甲車、大砲、その他のシステムから移動中や塹壕内の歩兵部隊まで、ロシア軍と確認されたあらゆる目標に対して使用できるという。ベンデット氏は、過去にクアッドコプターにより同様の攻撃が行われた事例を引き合いに出し、この積載量の潜在的な効果と壊滅的な影響力を強調した。
「SkyKnight」の正確な役割は明言されていないが、現在進行中の紛争で、塹壕爆撃に使用されると推測される。塹壕爆撃とは、爆発物を搭載したドローンが採用されている戦術である。この戦略は2018年からドンバス地方で活用され、2022年2月からの紛争においても継続して活用されており、ウクライナ軍とロシア国双方の兵器庫にある、小型から中型のドローンが関与している。欧州外交問題評議会のシニア政策フェロー、ウルリケ・フランケが指摘するように、ウクライナ紛争におけるドローン活用の規模は、前例のないものだ。
「SkyKnight」は国産ドローンとして、美しさよりも機能的なデザインが優先され、商業用ドローンと部品が共有されている。中国企業のDJIがウクライナとロシアへのドローン販売を停止したため、ドローンの国産化が不可欠となっている。フランケが指摘するように、DJIは依然としてドローンの動向に影響力があり、DJIのドローン、特にMavicシリーズは、ウクライナ、ロシア地域での正式な運用が停止されたにもかかわらず、依然として広く使用されかつ需要がある。
「SkyKnight」は、自律的なコミュニケーション能力がなくともオペレーターが選択した目標に接近できる点が特徴であり、これはウクライナが戦闘用ドローンの国内生産に多額の投資を行っていることを反映している。この動きは、ロシア軍によるクアッドコプターやFPVタイプのドローンの配備拡大に対抗する必要性から生じているのだ。
(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から翻訳転載したものである)