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2023.09.02 11:30

「ビル・ゲイツもシリア難民も使う」語学アプリDuolingo、CEOが語る誕生秘話

私はBtoBのビジネスモデルには興味がありません。なぜなら、企業相手にビジネスをすると、お金を払うのは会社、つまり人事担当者やチーフインフォメーションオフィサーになってしまい、ユーザーではなくなるからです。

私が興味があるのはあくまでもエンドコンシューマー。実際に学ぶ人に、お金を払ってもらいたいのです。

なにより重要なのは間違いなく「採用」

人を採用するときは、「nice and excellent(よい人でしかも超優秀であること)」を非常に重要視しています。「よい人」の具体的な一番の定義は、「みなに尊敬をもって接することができること」です。

過去、CEOの次に給料が高い重要なポジションであるCFO(チーフフィナンシャルオフィサー)を採用することになった時、非常に有望な候補者がいました。文句なしの履歴書を持っていて、インタビューも最高の印象だったので、まさにオファーを出す寸前だったのです。

ところが、会社が雇ったドライバーが彼を空港からホテルに送ったとき、彼がドライバーに横柄な態度を取っていたことがわかったのです。それを聞いて、その人物を採用することはとりやめました。おそらく彼はインターンや新人社員にも失礼な態度を取るだろうし、そういう人材はDuolingoには不要ですから。

もっとも重要視するメトリクスは「CURR」

Duolingoにとっては、Current User Retention rate(CURR)が唯一で最重要なメトリックスです。

CURRはたとえば「今日」Duolingoに来た中で「過去7日」にも来ていた人が「明日」また来る率です。このCURR、実は、ローンチ時に30%だったのが、80%に上がっているのです。

今もこの数字を最適化するべく、日々仕事していると言ってもいいですね。

たとえば「80%から81%」という微小な変化でも、ビジネスには甚大な影響がある。CURRは他のメトリックスとは比較できない実に重要な指標です。

──Duolingoは1週間前より確実によくなっています。それはデータが如実に証明しています。これからのDuolingoは、より上級レベルの英語教育や、数学、音楽、物理などほかのカテゴリーにも広げていく予定です。

訳・文=石井節子

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