カナダ政府の渡航情報サイトは渡航者に対し、関連する州や地域の法律を確認するよう勧告。現在、世界で反LGBT法が施行されている地域を示した地図へのリンクも新たに掲載された。
メキシコも、米フロリダ州が性的少数者に「悪影響を与える可能性のある」複数の法律を制定したことを警告。例として、トランスジェンダーの人々のトイレ利用を制限する法案を挙げている。
ニュージーランドは、米国では性的少数者や「多様な民族的、文化的、宗教的背景」を持つ人々が「暴力犯罪」の標的になる可能性があると警告している。
米国から渡航禁止の対象国とされるベネズエラは、米国での「無差別のヘイトクライム」について渡航者に警告。ウルグアイも、米国への渡航情報に「人種差別と差別」に関する警告を追加している。両国の警告は、米国で2019年、銃乱射事件が24時間以内に2件連続して発生し、計31人が死亡したことを受けて出された。
カナダ、オーストラリア、英国も、銃乱射事件について警告している。米国では2022年、4人以上の死傷者を出した銃撃事件が600件以上起きたのに対し、同様の事件は英国では2件、オーストラリアでは1件、カナダでは4件だった。ドイツ外務省は、米国では「暴力犯罪が増加」しており、銃が容易に手に入ることから「散発的な大量殺人」が起きていると指摘している。
ヒューマン・ライツ・キャンペーンによれば、米国各州では今年5月までに530件以上の反LGBT法案が州議会に提出されており、うち220件がトランスジェンダーやノンバイナリー(性自認が男女の枠にとらわれないこと)の人々を対象としたものだった。こうした法案のうち、初夏までに70件が成立している。
ミズーリ、ケンタッキー、アラバマの3州では、19歳未満のトランスジェンダーの未成年者に対するホルモン療法が禁じられた。その他に、ドラァグショーを禁止したり、学校で教える内容を制限したりする新法も制定されている。
米国土安全保障省は5月、性的少数者に対する脅迫が増加していると警告。米連邦捜査局(FBI)の統計によれば、2021年のヘイトクライム全体の20%が性的少数者への偏見を動機としたものだった。名誉毀損防止同盟とGLAADによると、2022年6月~23年4月には性的少数者に対するヘイトクライムの報告が356件あった。
(forbes.com 原文)