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2023.09.01 15:00

元メタ研究者の「AI創薬」企業、評価額2億ドルでシード資金調達

Getty Images

そんな中、エボリューショナリー・スケールは、トランスフォーマーに基づくAI研究のために巨額の評価額で資金を調達した最新の企業といえる。他のAIモデルのユニコーン企業としては、6月に13億ドルを調達したInflection AI(インフレクションAI)や、5月に2億7000万ドルを調達したCohere(コヒア)、3月に3億5000万ドルの調達を完了したAdept(アデプト)が挙げられる。さらに先日は、話題のAIインフラプロバイダーであるHugging Face(ハギング・フェイス)が、45億ドルの評価額で2億3500万ドルの調達を発表した。

激化する創薬分野のAI競争

タンパク質の構造を解き明かすためのAIテクノロジーにも、多額の資金が投入されている。ディープマインドは、昨年12月に設立した創薬部門のIsomorphic Labsに10億ドル以上の投資を呼び込み、同業のInsitro(インシトロ)やRecursion(リカージョン)を競合に見据えている。エボリューショナリー・スケールは、投資家向けの説明資料の中で、これらの企業を「潜在的なパートナー」と表現し、自社のモデルを通じて彼らを手助けしたいと述べていた。
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ライヴスのチームは、長期的な視点で事業に取り組む意向で、説明資料によると初年度に3800万ドルを投資し、そのうち1600万ドルをコンピューティングパワーに充てると述べている。そして2年目には1億6100万ドル、3年目には2億7800万ドルと、そのコストは倍増する。しかし、同社は生物学AIモデルが製品や治療法の設計に役立つようになるには、10年を要する可能性があることを繰り返し強調している。

エボリューショナリー・スケールは、毎年新しいモデルを構築することを目指しており、3年目には、タンパク質の構造予測にとどまらず、DNA配列などの他の生物学的データを統合することを目標としている。長期的なビジョンとしては、特定のユースケースに特化しない、生物学のための汎用AIモデルの販売を計画中だ。

そこに到達するために、同社はまず、アルファフォールドに対する優位性を証明しなければならない。さらに、RNAベースの薬物療法を設計するための大規模な言語モデルの開発を目指している企業としては、ヤコブ・ウスコライトが創業したInceptive(インセンティブ)などが挙げられる。
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フォーブスの取材に応じたあるバイオ投資家は、OpenAIのGPTシリーズのような、大規模言語モデルの将来のバージョンは、生物学に応用できるほど熟練したものになるかもしれないと推測した。

しかし、激化するこの分野の競争は、説明資料で「暫定CEO」と紹介されているライヴスにとって、重大な関心事ではないのかもしれない。彼は来年、MITとハーバードのブロード研究所(Broad Institute)の教授陣に加わり「生物学的デザインラボ」を立ち上げるというオファーを受けている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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