世界的な人工知能(AI)ブームが続く中、英国のスナク首相は、同国がAI開発で主導的な役割を果たすことを期待しており、先日はAIの安全性に関するグローバル・サミットを今年後半にミルトン・キーンズのブレッチリー・パークで開催すると
発表した。ブレッチリー・パークは、数学者アラン・チューリングがナチス・ドイツのエニグマ暗号を解読した場所として知られている。
スナク首相は最近、AIコンピュータに必要なチップを製造する英企業を支援するため、1億ポンド(約184億円)を拠出する計画も明らかにしている。
発展途上にある英国のAI業界にとって、こうした政府支援は歓迎すべきことだが、支援を受けなくても頭角を現している英国企業が増えている。英政府は、同国のAI市場規模を約170億ポンド(約3兆1000億円)と推計しており、2035年までに8000億ポンド以上に拡大する可能性があると考えている。英国では、過去10年間でAI技術を開発する企業の数が688%増加している。
これらの企業には、学術研究にルーツがある小規模なスタートアップが多い。以下に、2024年に注目すべき英国のAI企業5社を紹介する。
Featurespace(フィーチャースペース)
フィーチャースペースは、2008年にケンブリッジ大学からスピンアウトするかたちでスタートした。同社は適応行動分析におけるリーダーで、主に不正検知とリスク管理に特化している。同社が開発したARICプラットフォームは、個別データにおける異常を識別する能力が高く、リアルタイムでの不正検知を可能にしている。同社のテクノロジーは、世界トップクラスの金融機関や決済プロバイダーから信頼されており、オンライン詐欺の脅威が高まる中で需要が高まっている。