テスラ社内で「プロジェクト42」と呼ばれているこの建物は、ニューヨーク州南部地区連邦検事局によって調査されており、プロジェクトやマスクに支払われた金額に関する調査が進んでいると事情に詳しい関係者はWSJに語った。
SECも民事調査を開始し同様の情報を求めているとされるが、どちらの調査も初期段階であり、テスラが告発や正式な申し立てに直面しない可能性もあるとWSJは述べている。
以前の報道によると、この建物はマスクの自宅として建設され、数百万ドル相当の特殊なガラスが必要であったことから、テスラの取締役会メンバーからの申し立てで、資金の不正使用の可能性やマスクの関与を調べる内部調査が行われたという。
SECの規制で、公開企業は経営陣に支払われるボーナスや、会社の代表者が「直接的または間接的な利害関係」を持つ12万ドル以上の取引を開示することを義務付けられている。
SECの広報担当者はフォーブスに対し、「調査の可能性の有無についてコメントすることはない」と述べた。一方、司法省やテスラ及びマスクは、コメント要請に即座に返答しなかった。
WSJは、7月のテスラの内部調査の結果を「知ることができなかった」としている。また、この住宅に必要なガラスがテスラに納入されたかどうかも不明という。
プロジェクトに使用されたとされるガラスには、通常はビルのファサードに使用される大型パネルが含まれていた。WSJによると、このガラスが発注された後、社内で調査が開始され、極秘プロジェクトにどれだけの従業員の時間が費やされたかも調べられたという。
このガラスの発注は昨年ブルームバーグが最初に報じており、関係者によれば、内部監査グループによって指摘されたという。この家がマスクのためのものであることが確認されれば、「質素な家が好みだ」という以前の彼の発言と矛盾することになる。
マスクは2年前、自身の住居が「テキサス州のボカチカにある5万ドルもしない家」であり、彼が所有する唯一の家はベイエリアでイベント用に使われるものだとツイートした。しかし、彼の主張に反してWSJは、マスクがペイパルの共同創業者のケン・ハワリーが所有する豪邸に住んでいると報じていた。
マスクは2020年に「家を持たない」と宣言した後、カリフォルニアの住宅を1億3000万ドル(約190億円)で売却していた。
(forbes.com 原文)