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2023.09.01 14:30

EV電池のレッドウッド社、新たに10億ドル調達で製造拡大へ

池田美樹

Getty Images

リチウムイオンバッテリーのリサイクル事業を手掛ける米スタートアップの「Redwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)」は、電気自動車(EV)用バッテリー向けのアノード(負極)及びカソード(正極)材料を製造する米国初の生産施設の設置のため、新たに10億ドル(約1460億円)以上を調達したと発表した。

今回のレッドウッドのシリーズDラウンドは、ゴールドマン・サックス、カプリコーン、ティー・ロウ・プライスらが共同で主導した。また、マイクロソフトのクライメート・イノベーション・ファンドやオンタリオ州職員退職年金基金(OMERS)などが新規の投資家として参加した。

テスラの共同創業者で元CTOのJB・ストラウベルが率いるレッドウッドは、2019年以降に約20億ドルを調達したと声明で述べている。同社は、今年2月に20億ドルの低金利融資を連邦政府から獲得し、評価額は50億ドルを超えている。

レッドウッドは当初、使用済みバッテリーや電子廃棄物からリチウム、グラファイト、銅、コバルトなどの高付加価値金属を回収することに注力していたが、現在はアノード用の銅箔の製造に事業を拡大し、現状ではほぼ中国、韓国、日本で生産されているカソード材の生産を計画している。

「バッテリーセル製造には多くの資本が投入され、多くのプロジェクトが進んでいる。しかし、米国内でのアノードやカソードへの投資はほとんどない」と、ストラウベルは以前、フォーブスの取材に話していた。

「当社が注力するカテゴリは、EV業界の中で最も魅力的な投資対象ではないかもしれないが、対応を怠れば今後のボトルネックになるかもしれない。だからこそ、我々はそこに注力している」と彼は述べていた。

ネバダ州カーソンシティに拠点を置くレッドウッドは、同州北西部のリノ郊外にある製造拠点で、パナソニックに供給する銅箔の生産を開始した。同社はまた、サウスカロライナ州チャールストン近郊に35億ドルの工場を建設中で、米国南東部に建設する新たなバッテリー工場に、アノード及びカソード材を供給する計画だ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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