実際に対決が行われるとしても少し先のことになりそうだが、同じ頃、日本でも俳優の岡田准一、玉木宏両氏が米ラスベガスで開催される格闘技トーナメント「ワールドマスターブラジリアン柔術選手権」に挑戦するというニュースも話題となった。
この2つの話に共通する「ブラジリアン柔術」というキーワード。日本ではマイナースポーツであるが、実はグローバル(特に米国)では急速に競技人口が増えている。いや、それだけではなく、日本においても密かに大人の習いごととして広がりつつある。
「1万人」が出場するアマチュア格闘技大会
マスク対ザッカーバーグ対決のストリーミング配信予定は決まっていないが、岡田・玉木両氏が参加するトーナメントは現地時間8月31日から3日間「FloGrappring」で全試合がアーカイブを含めて配信される。本記事が掲載される頃には、岡田氏の試合結果は出ている予定だ。昨年はお笑い芸人のガリットチュウ・福島善成氏が青帯部門で出場し3位を獲得。今年も出場する。このトーナメントは同時開催されるJIU-JITSU CONと合わせると、実に1万人以上の出場者を集めるアマチュア格闘技としては世界でもっとも大きなイベントの1つだ。
中でも驚くのは「1万人」という数字だ。
実際に人間同士が格闘する競技に参加する人が1万人も1カ所に集まるというのは、世界大会とはいえ驚くべきことだろう。
しかし、この数字は決して荒唐無稽なものではない。
ザッカーバーグが親しみ、岡田・玉木両氏も世界大会にエントリーしたブラジリアン柔術は、一般のアマチュア選手が年齢を重ねてからでも楽しめるよう、徹底してルールが整備されているからだ。
何が特徴的なのか。
第一に「試合形式で戦うこと」までのハードルが極めて低いことが挙げられる。
近年は格闘技を元にしたフィットネスジムは人気が高い。キックボクシングやボクシングは、トレーナー相手あるいはサンドバッグに気持ちよくリズミカルにパンチやキックを打ちつけているだけでもストレス解消になる。
楽しくストレス解消できるだけではなく、運動量も豊富なため減量にもピッタリで、最善に体型も整う。
しかし、試合形式で行うスパーリングはもちろん軽く当てるだけのマススパーリングなどの対人練習をする人はほとんどいない。フィットネスでのキックボクシングで「格闘」することはまずない。
昨年はお笑い芸人のガリットチュウ・福島善成氏が青帯部門で出場し3位を獲得(写真提供:柔術ナビ)