北米

2023.08.31 12:30

ビザとマスターカードの株価が史上最高値更新、手数料値上げ計画の報道で

nevodka / Shutterstock.com

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8月30日、ビザ(VISA)とマスターカード(Mastercard)の株価が史上最高値に跳ね上がった。両社が近々加盟店の手数料を引き上げる計画を、同日にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたことを受けたものだが、あるアナリストは、この変更によって加盟店は顧客に対してカード以外の支払い方法をいっそう強く奨めるようになるかもしれないと警告している。
 
ビザは10月に、マスターカードは来年4月に手数料を引き上げる予定だと、匿名の情報源と資料を挙げてWSJは伝えている。

手数料値上げにともない、加盟店は年間5億200万ドル(約733億円)余分に支払うことになると決済コンサルタント会社のCMSPIが推計している。

両社が数億ドルの追加収益を見込むことに投資家は好感触を示し、世界で最も企業価値の高いクレジットカード2社は、30日の取引で約1%株価を上げた。

小幅高となったマスターカードは、史上最高値となる414ドルで引け、ビザの終値も最高値の247ドルだった。

みずほ証券のアナリスト、ダン・ドレフは顧客向けの文書で、投資家は報じられている手数料引き上げについて、喜ぶよりも注意深く受け止めるべきであると指摘し、いくつか理由を述べた。ドレフは考えられる懸念として、規制当局と政治家による監視の強化および加盟店が顧客に対して、現金、Venmoあるいは先月開始した連邦準備制度の決済システムFedNowなどの非クレジットカード支払いの使用を推奨する傾向が高まる可能性を挙げている。

ビザの時価総額は5130億ドル(約75兆円)となり、同社は世界11番目の大企業になった。マスターカードは時価総額3900億ドル(約57兆円)で世界21番目だ。

先月、デジタル決済サービス、Cash AppとSquareの親会社であるBlockは、Squareの処理プラットフォームに対する手数料を過剰請求したとしてマスターカードとビザを訴えた。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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