ビザは10月に、マスターカードは来年4月に手数料を引き上げる予定だと、匿名の情報源と資料を挙げてWSJは伝えている。
手数料値上げにともない、加盟店は年間5億200万ドル(約733億円)余分に支払うことになると決済コンサルタント会社のCMSPIが推計している。
両社が数億ドルの追加収益を見込むことに投資家は好感触を示し、世界で最も企業価値の高いクレジットカード2社は、30日の取引で約1%株価を上げた。
小幅高となったマスターカードは、史上最高値となる414ドルで引け、ビザの終値も最高値の247ドルだった。
みずほ証券のアナリスト、ダン・ドレフは顧客向けの文書で、投資家は報じられている手数料引き上げについて、喜ぶよりも注意深く受け止めるべきであると指摘し、いくつか理由を述べた。ドレフは考えられる懸念として、規制当局と政治家による監視の強化および加盟店が顧客に対して、現金、Venmoあるいは先月開始した連邦準備制度の決済システムFedNowなどの非クレジットカード支払いの使用を推奨する傾向が高まる可能性を挙げている。
ビザの時価総額は5130億ドル(約75兆円)となり、同社は世界11番目の大企業になった。マスターカードは時価総額3900億ドル(約57兆円)で世界21番目だ。
先月、デジタル決済サービス、Cash AppとSquareの親会社であるBlockは、Squareの処理プラットフォームに対する手数料を過剰請求したとしてマスターカードとビザを訴えた。
(forbes.com 原文)