ライフスタイル

2023.09.01 08:00

英ハロッズ、上海に初の会員制クラブ 中国高級市場で存在感強化へ


ザ・レジデンスが入居するのは、瀟洒(しょうしゃ)な静安区にある歴史的建築物「査公館(Cha House)」だ。ハロッズ・ティールームとピアノ・バーが併設されるほか、独占的なパートナーと提携して極上の飲食体験を提供するという。会員になると、ハロッズ・アビエーション(ビジネスジェット運航)、ハロッズ・エステート(不動産)、ハロッズ・インテリアデザインなどブランド傘下の超高級ライフスタイルサービスや、ロンドン本店でのプライベートショッピングサービスも利用できる。

すでにハロッズのパートナーとしてロンドン本店で飲食プロジェクトに関わる英三ツ星シェフのゴードン・ラムゼイは、ザ・レジデンスに中国初となるレストランを開く。ラムゼイは「上海に店を開くのが長年の夢だった」「会員とゲストのため特別に考え抜かれた英国料理を年内にお届けする」と話している。

マイラーによれば、ザ・レジデンスの立ち上げは「小売ブランドにとどまらない世界トップクラスのホスピタリティ・高級体験型ブランド」として地位を確立し、従来の高級小売店の枠を超えてグローバルに対応した多様な体験を提供するというハロッズの計画を体現するものでもある。

大方の予想と異なり、会員の選考基準は財力や消費力だけではない。「共通の関心を持ち、比類ないものに感謝できる同好の士で、クラブの活気ある雰囲気に貢献し、会員同士の持続的なつながりや共同体意識を育み、会員が常にくつろげる場所を作り、情熱やライフスタイルを共有する人たちと有意義なネットワークを築ける人」が選ばれるという。

ハロッズは現在、2億ポンド(約370億円)を投じて本店の大改装と戦略的な世界展開を進めている。マイラーは今後の動きについて、「上海でのザ・レジデンスの立ち上げは、ブランドとして中国で成長を続ける上で重要だ。今後の計画はまだないが、ザ・レジデンスから学べることを活かし、このコンセプトをさらに発展・洗練させていきたい」と話した。

ザ・レジデンスの会員募集は当初250人のみで、会員からの推薦があれば追加入会も検討する。年会費は15万人民元(約300万円)から。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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