論争や法的請求を裁判外で解決する仲裁契約は、米国ではますます一般的な雇用条件となっている。手数料の一部を除き、仲裁をめぐる費用の大半は通常、雇用主側が負担する。
CNBCは、仲裁サービスを提供する企業JAMSの話として、Xの場合は1回の申し立てにかかる手数料は2000ドル(約30万円)で、うち元従業員の負担は400ドル(約5万8000円)だと報じている。
元従業員はこの訴訟で、Xが総額約350万ドル(約5億円)の手数料支払いを拒否し、仲裁プロセスを遅らせていると主張。X側の弁護士は裁判所に提出した文書で、これを否定している。
弁護士は、Xには仲裁を通じて紛争を解決する義務がないため、元従業員の申し立て手数料を支払う必要はないと主張。関係者に対し、手数料を自己負担するなら仲裁に応じると書面で通達したと説明した。
フォーブスはXにコメントを求めたが、今のところ返答はない。
Xはこのほかにも、マスクがツイッター買収時に約束したことを守らなかったとして、元従業員からの数多くの訴訟を起こされている。その数は今後、さらに増える可能性があり、Xの弁護費用も膨れ上がる見通しだ。デラウェア州の裁判所に提出された文書によると、Xに対する仲裁要求は、2023年1月初旬には200件だったが、8月には2200件を超えた。
(forbes.com 原文)