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2023.09.02 09:30

マスク対ザッカーバーグの「金網マッチ」が注目を集める心理学的理由

安井克至
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Leefuji / Shutterstock.com

X(旧ツイッター)の最高経営責任者(CEO)である異端児イーロン・マスクと、メタを支配するマーク・ザッカーバーグとの対立にまつわる緊張が、かつてないほど高まっている。しかしこれは、10年近く前から続くイデオロギー的な対立から波及した確執でもある。

2014年のこと。ザッカーバーグはマスクに対して、マスクのAIに対する「心配性」的な見方について議論しようと誘いをかけたが、マスクは即座に断わった。マスクはその後も、AIが人類にとっての脅威であると主張し続け、メタが所有するインスタグラムとフェイスブックを攻撃することで応戦した。

その2年後である2016年、マスクの宇宙開発会社スペースXが、フェイスブックの人工衛星打ち上げに失敗した。これを受け、2人の経営者の仕事上の関係はさらに悪化したかに見えた。そして2023年、メタがXに対抗するためのマイクロブログ・プラットフォーム「スレッズ」を発表したことで、対立はついに頂点に達した。

この展開に駆り立てられたマスクは、ザッカーバーグに金網マッチ(ケージファイト)を挑んだ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以来、ブラジリアン柔術のトレーニングを積んで大会にも参加してきたザッカーバーグはこれを受けて立ち「場所を送ってくれ」と返した(これは、米国の総合格闘技団体UFCの元ライト級世界王者ハビブ・ヌルマゴメドフを真似た返答だ)。

このやりとりによって、さまざまな憶測と関心が広がった。いまのところ、この試合はまだ不確かなことだらけだ。2人のCEOが、会場選びからイベントの主催者まで、ロジスティクスをめぐって争っているため、期待は膨らみ続けている。
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翻訳=藤原聡美/ガリレオ

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