世界を熱狂させるXGの「愛と個性と連帯」が共存する未来

XG(写真=SASU TEI)

世界が熱狂する、常識にも枠にもとらわれることのない「新たな種族」である7人組ガールズグループ、XG。初の雑誌取材である『Forbes JAPAN』10月号「30 UNDER 30」特集のカバーストーリーで、彼女たちが答えた未来には世界規模の愛と連帯があった。


2023年7月、韓国ソウルのスタジオ。一人ひとりの撮影を終え、グループでの撮影に入ったときだ。シャッター音が響くたびに空気が張り詰める。ところが、写真チェックになると、彼女たちはごく自然にメンバー同士で手をつないだり、スタジオに流れるXGの曲に合わせて、無意識に踊ったり、鼻歌を歌ったり。自分たちの音楽、そしてメンバーが大好きという空気が伝わってくる。そして、いまこの瞬間を最高に楽しむ姿があった。

彼女たちは流れ星の群集のように、突如として現れ、世界に輝きをもたらした。

22年3月、デビューした7人組ガールズグループ「XG」による、圧倒的に揃ったダンス、歌やラップのキレ、そして「団結力」。鮮烈なパフォーマンス、そしてヒップホップに全振りしたサイファー動画は瞬く間にSNSで旋風を巻き起こした。「K-POPなのか?」「それともJ-POPなのか?」。そんなラベルさえどうでもよくなるほど、新しい形の「X-POP」の誕生に世界が沸いた。

アメリカのZ世代のTikTokで爆発的人気を得て、TikTokを開けば、国を超えてZ世代の若者たちがXGの踊りをコピーして投稿。英語・日本語・韓国語を駆使したラップのサイファー動画は、オリジナルトラックであるJ.I.D本人や、Kelly Rowland、Bebe Rexha、Jackson Wangをはじめとした著名人に注目され、楽曲のリミックスVer.にはRico NastyやCiaraなど、ヒップホップやR&Bの大御所もボーカルとして参加した。

そして、23年5月にニューヨークで開催されたフェス、「Head In The Clouds(HITC)」では初の米国公演にもかかわらず約1万5000人の超満員の観客がXGの登場に熱狂し、衝撃的なパフォーマンス動画もSNSで大いに話題になった。

どんな自分でも、とにかく愛する

XGは、デビュー時から「グローバル・ガールズグループ」を標榜し、英語で歌い、アメリカやアジアを中心に世界中でブレイクしている日本人グループだ。特徴は、パフォーマンスを筆頭としたクリエイティブが世界水準の高さであること。そして、個性を大切にし、7人全員で手をつなぎ合い、ファンとともに連帯する「新たな形」だ。

グループ全体では完璧に揃ったダンスを披露しつつ、YouTubeで流れるドキュメンタリー映像には、7人のリアルな個性や「らしさ」を出しながら、たくましく努力し、瞬く間にトップへと駆け上がりつつある姿もある。見る人たちは、彼女たちに勇気づけられ、ともにもっと高みを目指すために努力しよう、人生を楽しもうと後押しされる。

世界を変えうる30歳未満にフォーカスする企画「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」も6年目。2023年はパワーアップし、120人を選出した。彼ら、彼女たちが自らの言葉で、過去と今、そして未来を語る。
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文=竹田ダニエル 写真=SASU TEI

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年10月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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30 UNDER 30 2023

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