メタのリポートによると、米台日のほか、オーストラリアや英国などを対象とした世論誘導作戦に関与していたとして、フェイスブックのアカウント7704件とページ954件、グループ15個、インスタグラムのアカウント15件を削除した。
このネットワークは2019年にメタによって確認され、「スパモフラージュ(Spamouflage)」と名づけられた。起源は中国の法執行機関内にあるとされるが、その後4年間で拡大し、関連アカウントが続々と特定されていた。
メタによると、ネットワークにはTikTokやX(旧ツイッター)、LiveJournal、Blogspotなど、ほかのプラットフォームの数百のアカウント参加。少数民族のウイグル人らが弾圧されている新疆ウイグル自治区に関する肯定的なコメントのほか、米国をはじめとする西側諸国の外交政策に対する批判、ジャーナリストや研究者を含む中国政府に批判的な人への反論などが投稿されていた。
ネットワークはさらに、新型コロナは米国由来であるという誤った主張も広めようとし、「間違いが顕著な」66ページの「研究論文」なるものも発表していたという。フェイスブックのページはおよそ56万人のフォロワーを集めていたものの、メタによるとベトナムやバングラデシュ、ブラジルなどから購入されたスパムアカウントの可能性が高い。
メタでグローバル脅威情報の責任者を務めるベン・ニモはロイター通信の取材に対し、この作戦は「大規模で騒々しい」ものだったが、「自分たちの偽のエコーチェンバー(発信した意見と似たような意見が返ってきて増幅する現象)を超えた範囲へのリーチに苦戦した」と指摘している。
ニモは、今回の一斉削除はメタによるひとつのネットワークの排除としては過去最大だったとニューヨーク・タイムズ紙に説明している。
メタが中国の世論工作を排除したのは過去6年間で7回目。うち4回はこの1年に行っている。昨年は、中間選挙前に米国の政治に干渉することを狙った活動を発見し、除去していた。
カナダ外務省は今月、野党・保守党の国会議員を標的とした虚偽情報が中国のSNSの微信(ウィーチャット)で拡散したと発表し、中国が関与した可能性が非常に高いとの見方を示している。
(forbes.com 原文)