マネー

2023.08.31

住宅ローンの頭金ゼロは得か損か? 負担に感じる分岐点とは

Getty image

たとえば3000万円の住宅ローンを組むとき、何割か頭金を入れるか、頭金ゼロを選ぶか、どっちが得なのか悩むところだ。頭金を入れて返済金を少しでも安くするか、その資金を手元に残しておいた方が後々楽なのか、10年後20年後に自分の生活がどうなっているかなんて、なかなか計算が立たない。どっちでも同じだと考えてしまうかもしれないが、じつは結構違いが出ることがわかった。

三井信託銀行の三井トラスト・資産のミライ研究所が18歳から69歳の住宅ローンを組んだことのある1万人を対象に行った調査によれば、頭金ゼロでは返済の負担感が増えるという結果が出た。
頭金の準備割合

頭金の準備割合


頭金ゼロを選ぶ人の割合は、借入金が3000万円から4000万円未満がおよそ3割ともっとも多く、逆にこの範囲では、頭金を30パーセント以上入れる人は2割に満たない。頭金は借入金が少なくなるほど多く入れる傾向があり、1000万円未満では頭金ゼロの割合は2割弱となり、6割弱の人が30パーセント以上の頭金を用意していた。
住宅ローン返済に対する負担感

住宅ローン返済に対する負担感


しかし、借入金が大きく頭金がゼロとなると、月々の返済額も増える。返済の負担感を聞くと、頭金ゼロの人たちは、「負担に感じる」、「かなり負担を感じる」を合わせて5割近くにのぼった。「まったく負担を感じない」がいちばん多かったのは、頭金を5割以上入れた人たちだ。
次ページ > 結論はやっぱり……

文 = 金井哲夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事