欧州

2023.08.31 10:00

ウクライナのレオパルト2戦車、損失は71両中5両のみ 反攻開始から3カ月

ウクライナ軍が配備したレオパルト2戦車(shutterstock.com)

ウクライナ軍が配備したレオパルト2戦車(shutterstock.com)

ウクライナ軍が南部と東部で待望の反転攻勢を開始してから13週間。その間、運用する71両のレオパルト2戦車のうち、失ったのはわずか5両だ
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これまでに少なくとも10両のレオパルトが損傷したが、ウクライナ軍はポーランドとドイツの車両基地で損傷車両を修理し、戦線に戻している。

重量69トンのレオパルト2は頑丈だ。そのため、損傷しても修理されてまた戦闘に投入される。再度損傷しても、また修理できる。繰り返しの利用に適しているのだ。

より重要なのは、破壊された5両のレオパルト2の乗員20人のほぼ全員が、車両が燃えたり爆発したりする前に脱出した可能性がある点だろう。
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ウクライナ軍の兵士オレクサンドル・ソロニコは「ひどく損傷した装備であっても回収され、修理に出される」と説明する。「金属片ならたとえ高価でも交換できるが、人の命は修理できない」

カナダやデンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデンなど、北大西洋条約機構(NATO)加盟国を中心とした国々は、ウクライナにストリッツヴァグン(Strv) 122を10両、レオパルト2A6を21両、レオパルト2A4を74両供与すると約束した。Strv 122はスウェーデン軍が使用していたレオパルト2A5の改良型だ。

14両のレオパルト2A4を除き、これらの戦車はすでに前線に到着している。

1980年代に生産されたA4はレオパルト2の中では最も装備が古い。90年代に生産されたStrv 122とA6には新しい複合装甲が施され、光学機器もアップグレードされた。A6には射程が長く威力のある120mm砲が搭載されている。

レオパルト2が生き残れるよう、ドイツ戦車メーカーのKMWとラインメタルは砲塔に弾薬を保管する特別なコンパートメントを搭載した。このコンパートメントは攻撃を受けると外側に向けて爆発し、乗員を保護する。

対照的に、ロシア軍の戦車は砲塔の下に弾薬を収納する。弾薬が爆発すると、砲塔と乗員3人もろとも吹き飛ばされる。レオパルト2は、車体を乗員もろとも破壊するよりも、車体に損傷を与えて乗員を離脱させる方がずっと簡単だ。一方でロシア軍のT-72戦車が直撃を受けると、戦車と乗員の両方が甚大な被害を受ける可能性がある。

破壊が映像や写真で確認されたレオパルト2の数は、6月4日に反攻が始まって以来、わずか5両だ。その内訳は、50両配備されたA4のうちの2両と、21両配備されたA6のうちの3両。Strv122の破壊は確認されていない。

「長い目で見れば、装甲の損失をゼロとすることは不可能だ。だが、装甲はリスクを伴う目的を果たすのに役立つ」とソロニコは指摘する。
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翻訳=溝口慈子

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