ディズニー株は、8月28日に84ドルをつけ、2014年10月以来の安値で推移している。
ファクトセットのデータによると、ディズニー株は過去5年間で25%下落し、過去10年間では55%の上昇となっている。これに対しS&P 500は、同期間にそれぞれ53%と170%の上昇となっている。
リニアテレビにおける収益性の広範な低下に見舞われたディズニーのEBITDA(支払利息・税金・償却控除前利益)は、2018年の174億ドルから、昨年は115億ドル(約1兆6800億円)にまで落ち込んだ。
ディズニー株の過去10年間のパフォーマンスは、同期間に株価を57%下落させたCBSの親会社のパラマウントや、HBOとCNNの親会社のワーナー・ブラザース・ディスカバリー(同68%減)を上回っている。
それでも、ディズニー株の過去10年間のパフォーマンスは、同期間に取引されたS&Pの468社の中で78番目に悪い結果となっている。
エンターテインメント分野では、ネットフリックス株が過去10年間で900%超の伸びを記録し、アップルやマイクロソフト、アマゾン、バークシャー・ハサウェイ、コカ・コーラといった他の大型株のパフォーマンスはすべてディズニーを上回っている。
ディズニーの時価総額は、2015年に1780億ドルを記録し、世界で31番目に価値の高い企業だった。しかし、現在の時価総額は1540億ドルで、69位に後退している。
有料ストリーミングサービス「Disney+」の加入者数は2023年4〜6月期に7%減少し、ディズニーの動画配信部門の営業損失は5億1200万ドルを記録した。これを受け、ディズニー株は年初来で5%下落している。この低迷は、同社株が2022年に44%下落し、過去48年間で最悪のリターンを記録したのに続くものだ。
ディズニーは昨年末に長年のCEOであるボブ・アイガーの復帰を発表し、株価を一時的に上昇させたが、そのニュース以降に株価は8%下落している。
今後の動向で注目を集めるのは、ディズニーがリニアテレビ部門を売却するかどうかだ。アイガーCEOは先月のCNBCのインタビューで、ABCとESPNを含む同セグメントが「ディズニーの中核事業ではないかもしれない」と語っていた。今月初めのMoffettNathansonの分析で、ディズニーのメディア・エンターテインメント部門の企業価値は490億ドルとされた。
大和証券のアナリストのジョナサン・キースは今月初めの顧客向けメモで「ミッキーはダイエットに励み、体重を減らしている」と述べた。「アイガーが主導するボトムラインの再調整により、ディズニーはストリーミング戦争で生き残り、勝者となる」とキースは宣言した。
(forbes.com 原文)