教育

2023.09.08 10:00

百聞は一見にしかず 「ニュージーランド留学」という選択

Dioで15年近く勤務しているというDirector of International StudentsのSimone Clark女史は、何度も「一人一人の興味を尊重し、才能を最大限に伸ばしたい」と語ってくれ、アドミッションズチームとのやりとりの中でも、学校のモットーである「Be more than you ever imagined(一度も想像さえできなかった自分になろう)」が、合言葉のように繰り返されていたことが印象的だった。

ウェブサイトでも「Our Difference is Our People. Our Difference is You.」と書かれているが、単なる標語ではなくこのフレーズが学校全体に息づいていると感じた。
Diocesan School for Girls

Diocesan School for Girls

留学生と寮

長引いたコロナの影響もあり、現時点では海外から留学している日本人はほぼ皆無で、日本国籍の生徒はニュージーランド在住の通学生が数名いるのみ。入学するためには最初から学習に支障ないレベルの英語力が要求されるため、非英語圏で教育を受けてきた受験生にはハードルが高いことも影響しているようだ。必然的に寮生も少なくなるようで、現在用意されているのは57床のみ。

学校の正門の前に、Innes House Boardingはある。可愛らしい複数の家から成り立つこの施設は、寮というよりは家庭的なコミュニティという印象で、今回は中を見学することはできなかったが、温かくケアリングな環境があるのだろうと想像させられた。

ただし、Dioをはじめとするオークランドの私立学校は、毎年1月からスタートする南半球スクールカレンダーを採用しており、約1年半前に受験があるにもかかわらず、そのタイミングでは寮に入れるかどうか確約されない。この点は海外から受験する家族の多くにとって留意が必要だ。
Diocesan School for Girls

Diocesan School for Girls


気になる授業料は、通学生の場合は小学校で年間22,820NZドル(約200万円、1NZドル=87円で換算)、中高が年間26,335NZドル(約230万円)。寮費はこれとは別に年間18,700NZドル(約160万円)かかる。

決して安いとは言えないが、欧米よりははるかにリーズナブルで、昨今は為替の影響もありカナダのボーディングスクールよりも手が届きやすいかもしれない(ただし1クラスあたり25名ほど生徒がいるため、欧米の一般的な私学に比べるとクラスサイズが大きい傾向にある)。

ただし、NZに保護者が在住していない場合はinternational student feeとしてさらに約200万円が上乗せされる。
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文=小林りん

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