「スーパームーン」と呼ばれるのは、8月2日の「スーパースタージョンムーン」と同様に、「近地点の満月」だからだ。近地点とは、月などが公転軌道上で地球に最も近づく点のことであり、そのため夜空でわずかに大きく、より明るく見える。
「月が近地点を通過してから10時間以内の今年最も近い満月です」と天文学者で『Observing Our Solar System: A Beginner’s Guide』の著者トム・カースはいう。「8月2日の満月よりもほんの少しだけ明るく、大きく見えるでしょう』
1年で最も近い満月
8月に2度ある満月のうち、2度目の方がより地球に接近するが、その差はごくわずかだ。8月31日の2度目の満月が地球から約35万7300km離れているのに対して、1度目となる8月2日「スタージョンムーン」の際の距離は約35万7500kmで、わずか200kmほど遠いだけだ。「スーパームーンは普通の満月より10~15%大きく、25~30%明るく見えるはずです。しかし実際にはほとんどの人の目には同じに見えるでしょう」と天文学者で英国ウォーリック大学物理学科教授のドン・ポラコはいう。
同じく興味深いのが「スーパームーン」が続けて起きるタイミングだ。
「2度の最も明るい近地点の満月が同じ月にやってくるのは興味深いことですが、インドの月ミッション、チャンドラヤーン3号のすばらしい成功のおかげで、今多くの人たちが月について考えている時期だからなおさらです」とカースは語る。
観測場所ででどれほど「スーパー」になるか変わる
「スーパーブルームーン」を最大かつ最高の状態で見るためには、2回見る必要がある。「おもしろいことに、あなたが地球上のどこにいるかが、スーパームーンがどれほど『スーパー』になるかを決めています」とカースはいう。月が昇るときと沈むとき、観測者は月が最も高い位置にきて子午線を通過するときよりも、何千kmも遠くにいることになると彼は説明した。「地球の自転によって、満月は深夜0時頃に最も近くなります」とカースはいう。「ただし、日没後にも外へ出て、華麗な月の出を見るべきです。それは常に大きな喜びです」
満月の出を見逃すな
8月31日の夕暮れどき、東の空に昇る満月は濃いオレンジ色に見えるだけでなく、遠くにあるにも関わらず、大きく見える傾向がある。「昇ってくる満月は、常にいつもより大きく見えます」とポラコはいう。「これは、地球の大気と目の錯覚のためです」これは「月の錯視」と呼ばれているもので、水平線/地平線近くの満月を海や山や町並みの近くで見ると普段より大きく見える。この現象は人間の脳が視覚情報を処理する方法によるものだとNASAは説明している。
(forbes.com 原文)