アマゾン、大作ドラマ宣伝にAI画像使い物議 ゲーム原作の『Fallout』

アマゾンが公開した新作ドラマ『Fallout』の宣伝画像(Twitterをスクリーンショット)

アマゾンが公開した新作ドラマ『Fallout』の宣伝画像(Twitterをスクリーンショット)

米アマゾンが先週公開した、人気ゲーム『Fallout(フォールアウト)』原作の新作実写ドラマで初となる宣伝画像が、物議を醸している。というのも、背景に使われたアートが、明らかに人工知能(AI)によって生成されたものだったからだ。
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米国で現在、脚本家組合と俳優組合が行っているストライキでは、AIが中心的な問題となっている。焦点となっているのはアートではなく、脚本家や俳優を置き換えるかたちでのAIの使用だが、アーティストも同じく映画やドラマ製作の一部を担う存在だ。

アマゾンが公開した画像については、本当にAIなのか(そうなのは明らかだ)や、AIをこうした用途で使用することの是非をめぐる議論が起きた。

これがAI生成画像であることを最も明白に示しているのは、手前に描かれた赤い車だ。その後ろの車は画像の奥に向けて走行しているように見えるが、この赤い車だけ逆向きになっている(尾灯のあるべき場所にヘッドライトがある)。
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また、建物の一部には窓がない。右側にある黄褐色のビルはまるでPlayStation 4のようなかたちで、屋上から木が生えているようにも見える。

その右側の建物には、赤い壁に白字で、意味が識別できない記号が並んでいる。AIは実際の単語を生成するのが非常に苦手なので、文字に似ている記号を寄せ集めることがよくあり、その現象がここでも起きているのだ。

中心部分にはなぜか、片側2車線の大きな道路の真ん中に広い歩道が描かれている。そこを歩く女性の右腕と、右手に持っているものは、形がおかしい。また、左下に描かれた女性には、脚が3本ある。

背後の山もどこか変だ。白い柱のようなものは、そこにあるはずのないダムの一部にも見えるし、ハリウッドサインの一部をAIがねじ込んだようにも見える。

人々が特に問題視していたのは、時価総額が1兆ドルを超える企業であるアマゾンが、この大作ドラマのプロモ画像を1枚作る上で、著作権をめぐる問題をはらむAIではなく、多少の金額を払ってアーティスト1人を雇えなかったことにあるようだ。映画やドラマの製作会社が、こうしたかたちでのAIの利用がいたって簡単で、多くの人がそれに気づかないのをいいことに、それを積極的に推し進めていることが問題なのだ。

「AIアートも作るのは難しい」と主張する人もいるが、それは間違いだ。私はこうしたAIツールを使用して、実質10分でこの広告をほぼそのまま再現できた。似たフォントを探したり、色を調整したりするのにさらに10分かかったため、所要時間は全部で20分だった。


そうして私が作成した画像は、オリジナルと比べ、3本足の女性や窓のないビルといったAIならではのおかしなところはかなり少ない。ただ、オリジナルと同じく、手前の赤い車のデザインが逆向きになるという笑える結果になった。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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