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2023.08.29 13:00

テスラやトヨタに迫るベトナムの自動車メーカー「ビンファスト」の価値急上昇

ビンファストは先月、ノースカロライナ州で米国初の工場を着工し、2025年に40億ドル(約5800億円)を投じて生産を開始する予定だ。6月現在、米国でヴィンファストの電気自動車は137台しか登録されていない。

ファム・ニャット・ブオンの純資産は推定559億ドル(約8兆1800億円)で、ベトナムで最も裕福な人物であり、世界で23番目に裕福な人物だ。ベトナム最大のコングロマリットであるバングループの会長であり、不動産開発、EV、テクノロジー、小売の各分野で事業を展開している。

ビンファストは2017年にブオンによって設立され、翌年にはシボレーとの提携を発表し、ベトナムでのブランドの独占販売権と「まったく新しいグローバルな小型車」を製造するためハノイにあるゼネラルモーターズの工場の所有権を得た。2019年に最初の車両をテストし、2021年12月に最初の電気クロスオーバーのバッチを顧客に引き渡した。ロイター通信によると、ビンファストの昨年の販売台数はわずか7400台(すべてベトナム国内)だったが、国境を越えて拡大する今年は4万台から5万台の販売を見込んでいる。

ビンファストの電気自動車SUV「VF8」は、現在米国で販売されている唯一の車で、カリフォルニア州の13のショールームでのみ販売されているが、同社は今年後半に大型SUVの提供を開始し、来年には他の2車種の提供を開始する予定だとCNNは報じている。これに比べ、テスラは2022年に130万台を納車し、トヨタは1050万台を販売している。ビンファストは5月、スクリーンの不具合をめぐり、米国に出荷した全車両をリコールした。ビンファストは2022年に21億ドル(約3000億円)の損失を出したとガーディアンは報じている。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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