ITにおける格差が子どもの間で今も広がっている
「参加する子供たちのほとんどは、スマホは使っています。しかしスマホは消費する側のもの。これから稼いでいくためにはパソコンが必要なのです」とキッズドア理事長である渡辺由美子氏は語る。キッズドア理事長、渡辺由美子氏
高校を卒業し進学、就職するにしてもパソコン作業は必要になる。たしかにGIGAスクール構想により、学校でもパソコンやタブレットを使った授業は行なわれるようになっているが、地区や学校によっては自宅での使用に制限があり、利用可能なアプリなども限られてしまっているケースも多い。家にパソコンがあること、気軽に触れることには子どものITスキルの習得において大きなメリットがあるが、それをわかっていない親もまた多いという。
「それがIT格差につながっています」と渡辺氏はさらに語る。「IFUTO」はそれを少しでも解消すべく企画、開催された。
7月23日に行われた缶バッチのデザイン講座を取材した。講師はイラストレーターの北沢直樹氏が務めた。前日はデザインについて学び、23日は実際に缶バッチデザインを行なうという日だった。
講師を務めたイラストレーターの北沢直樹氏
使い慣れないパソコンでの作業。使用ソフトであるAdobe Expressは用意されたテンプレートを選び、写真や画像、テキストを変更していくだけで思い描いたものをカタチにできるという敷居の低いものだ。とはいえ、デザイン経験がない者は、まず何から始めたらいいのかからわからないものだが、会場を見ると参加者たちは次々に自分だけの缶バッチをデザインしていた。
IFUTO 2023で作成された缶バッチ