経済的理由で日本でも広がる子どものIT格差、是正を支援する「IFUTO」

35名が応募、その約半数の家にパソコンがないという

若い頃の「体験」は将来に大きく影響するものだ。それがどのような種類であっても、知っていることで世界は広がる。選択肢は多いほうがいい。

NPO法⼈キッズドアは千葉大学墨田サテライトキャンパスで「IT&デザインプログラム『IFUTO』2023」を開催した。女子高生を対象とした本プログラムは、ITスキルを学ぶというものだ。7月21日〜25日、そして8月20〜24日と2回に分けて計10日間にわたり行われ、参加者はITとデザインを包括的学ぶことで、より実践的な「体験」を行なうことができた。

支援を必要とする子どもためのプログラム

現在、日本にも経済的な理由で支援を必要とする子どもたちが存在する。2007年は任意団体としてスタートしたキッズドアは、今では毎年2000人ほどの子どもたちに学習支援や居場所支援を行なっている。

その一環であるプログラム「IFUTO」は、「IF」と「ギフト」そして「IT」を組み合わせて名づけられた。PCやデジタル体験を「今」することで、職の幅を狭めないために企画されたもので、参加することで自立するための「力」を伸ばすことを目的としている。また1回きりでは成果も出しづらく、参加者自体も見えづらいため前半と後半に分かれた10日間の包括的なプログラムになっている。

参加対象者は女子高校生で35人が参加。参加費は無料。パソコンも無料貸与され、これによりパソコンを持たない者も気軽に参加可能だ。また1日2000円までの交通費も支給され、昼食やドリンク、お菓子なども用意されるため、経済的な問題を抱える家庭でも長めのプログラムに参加させやすいという配慮がなされている。

参加者がAdobe Expressを使い缶バッチのデザインを行なったAdobe Expressを使い缶バッチのデザインを行なった

これらパソコンなどの貸し出しや提供、開催場所は協働パートナーである千葉大学dri、一般社団法人プロジェクト希望、一般財団法人三菱みらい育成財団、そして協力であるアドビやLenovo、CA Tech Kids、ZOZO、小倉メリヤス製造所などによるものだ。
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文・編集=安井克至

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